その一方でこんな思いも。ツアー屈指の人気を誇る2人が上位で同組とあって、この日のギャラリーは大会開催コースが宮崎カントリークラブになってから最多の8664人が来場。そのうちの多くの人がこの組についた。「今までなら“ボミちゃん”という声が多かったのですが、最近は“渋野ちゃん”の声援のほうが多い（笑）。さびしかったですが、“ボミちゃん”という声を聞けるように頑張りました」。切ない思いを反骨心に変えたことも、このスコアの理由の1つだ。

何はともあれ2シーズンぶりの優勝、そして6年ぶりのメジャー制覇へ最高の位置で迎える最終日。泣いても笑っても残り18ホールだ。「優勝とかは考えず、あしたが最後の日なので後悔しないようにしたい。あと1日、自分を信じられるかどうかだと思う。あと1日頑張って、また来年奥さんで頑張りたい（笑）」。結婚も控える今オフ。そして独身イ・ボミとしての最高のフィナーレへ。恋人の目の前で、物語はクライマックスを迎えている。（文・秋田義和）