それでも最後に話してくれたのは「笑顔でいること。私にはそれしかないので」、自分に言い聞かせるように明かしてくれた表情をいまでも忘れません。当然その週は藤田プロに注目することになりましたが、初日を終えて10位タイ。2日目を終えて首位と3打差の3位タイ。思いの丈をぶちまけたことで、『開き直ったのかな』などと勝手に思った記憶があります。
最終日も粘りに粘り、最終組を回っていた藤田プロは最終ホールを残し首位タイ。6人が同スコアで並んでおり『これはプレーオフかな』と思った矢先。難関18番パー4の2打目をグリーン右のエッジまで運ぶと、藤田プロは笑顔でグリーンに上がってきました。5メートルのバーディトライ。パターを握り、下りのフックラインを一発で沈めた瞬間、なぜかこちらがホッとしたのはいい思い出です。
その後は父・孝幸さんが急逝、シード陥落、左ヒジの手術など苦しい日々が続きましたが、昨年6月にはステップ・アップ・ツアーで“復活”優勝。新たな一歩を踏み出しました。その直後に話を聞いたときの言葉が「ずっとゴルフを続けていきたい。今はゴルフが楽しいんです」。焦りなど微塵も見せずに、笑顔で話す藤田プロが戻っていました。
苦しみの中で優勝を果たしたあの日から5年。今年の9月に26歳になる藤田プロですが、笑顔でいると決めた“私の人生”は、まだまだ道半ば。つぎ、インタビューするときは何を語ってくれるのか。威勢のいい言葉は聞けるのでしょうか。いまから楽しみにしたいと思います。(文・高桑均)
最終日も粘りに粘り、最終組を回っていた藤田プロは最終ホールを残し首位タイ。6人が同スコアで並んでおり『これはプレーオフかな』と思った矢先。難関18番パー4の2打目をグリーン右のエッジまで運ぶと、藤田プロは笑顔でグリーンに上がってきました。5メートルのバーディトライ。パターを握り、下りのフックラインを一発で沈めた瞬間、なぜかこちらがホッとしたのはいい思い出です。
その後は父・孝幸さんが急逝、シード陥落、左ヒジの手術など苦しい日々が続きましたが、昨年6月にはステップ・アップ・ツアーで“復活”優勝。新たな一歩を踏み出しました。その直後に話を聞いたときの言葉が「ずっとゴルフを続けていきたい。今はゴルフが楽しいんです」。焦りなど微塵も見せずに、笑顔で話す藤田プロが戻っていました。
苦しみの中で優勝を果たしたあの日から5年。今年の9月に26歳になる藤田プロですが、笑顔でいると決めた“私の人生”は、まだまだ道半ば。つぎ、インタビューするときは何を語ってくれるのか。威勢のいい言葉は聞けるのでしょうか。いまから楽しみにしたいと思います。(文・高桑均)