コーチから指導を受けることもできず、黙々と1人で課題に向き合う日々。これについて心配はないのか聞いてみたが、「いつも北海道にいる時は、こんな感じです。コーチからも『少しくらい調子が崩れても、1週間あれば戻せるから焦らなくて大丈夫』と言われています」とあっけらかんと話す。

だが、ゴルフ以外では、やはりこれまで通りとはいかない。緊急事態宣言後は、「いつも行っているお店も閉まっていましたし、普段北海道にいる時は映画館とかにも行くんですけど、それもできません。家にいる時間は増えていますね。早く映画を見たり、買い物に行ったりしたい」と息抜きも難しい状況だ。しかし、そんななか自宅時間をしっかりと楽しんでいる様子もうかがえる。

「動画や、たまっていた録画をめっちゃ見ています。最近は昔やっていた『タンブリング』（2010年にTBS系で放送）というドラマを見返して、懐かしいなと思ったり、あとは『ジュラシックパーク』も見ました。何回も見ているんですけど、面白くて。あとはドラえもんの映画とか（笑）」。普段ののほほんとしたイメージそのままに、のんびりとした時間も過ごせている。「家にいると動かなくていいので楽ですね（笑）。ゴルフをやっている時は、いつも動いているので、今は楽に感じます」という言葉は実に小祝らしい。

それでも、もちろん「早く（ツアーが）始まってほしいですね」という気持ちは忘れない。試合が大幅に減った状況でスタートするシーズンに不安も覚えるが、「みんな同じ条件なので仕方ないですよね。気持ちは変わらずにプレーできればいいかなと思っています」と、“短期決戦”でもしっかりと結果を残すつもりだ。また、現時点で開催の可否は発表されてはいないが、昨年初優勝を挙げ、「ディフェンディング大会なので、できることならもちろん出場したいです」と大きなモチベーションの1つになっている大会（7月17日開幕）も近づいている。

「今年の目標は2勝目を挙げること。あと、まだ北海道での試合も控えています。特にニトリレディスは所属なので頑張りたいですね」。焦らず、騒がず、いつもの自分らしく――。小祝さくらは、この難局に身を置いても、ブレることなくマイペースを貫いている。