実はこのころ、藍プロの引退が近いのではといううわさが出ていたのは事実です。私も会見ではそれとなく引退をにおわすように、その後のスケジュールについて質問したのを覚えています。ところが藍プロは「次戦のサントリーレディスで優勝を狙う」と力強くコメント。そこから米ツアーに戻って、まだまだ頑張るのだろうな、と思わされたのですが…。

この4日後、藍プロの引退が正式に発表され、さらにその4日後には引退会見が都内のホテルで開かれました。私も取材しましたが、目に涙をためながらモチベーションの低下やパッティングの不調などについて語る藍プロを見ているのはつらかったのを記憶しています。「64」を出すことができるのに、引退を決断しなければならない。プロの世界には、プロにしか分からない重圧がある。ということですね。

あれから3年が経ちました。藍プロと同じ世代のプロもまだまだ現役で活躍していますので、もったいないなんて勝手に思うこともありますが、ご結婚もされ、幸せそうな藍プロ。今では年に数回程度、イベントでお会いするくらいですが、いつも笑顔で話してくださいます。これからもお元気で、たまには試合会場にも遊びに来てくださいね。

でも、やっぱり、あの中京で「まだまだやりますよ〜」感を出していた藍ちゃんには『だまされた〜』感でいっぱいです。だって引退発表はその4日後だったんですから…。（文・高桑均）