為末さんは「競技をやりたくて仕方がない」という気持ちがいい方向に出ているとも書かれている。
ゴルフの世界ではどうだろうか。シーズン中は毎週、試合があるのが当たり前の状況だった女子プロたちは、試合がなくなってみて「早く試合がしたい」という強い気持ちを持った。試合のありがたみを改めて感じたプロも多い。ポツリ、ポツリとおこなわれている試合に新鮮な気持ちで臨んでいる。こうした気持ちを味わったことは決してマイナスにはならないはずだ。むしろ有意義な時間を過ごした、と思えれば、この先への財産となる。
ジュニア時代、学業も含めた学校生活や、家族でのごく当たり前の日常よりもゴルフを優先させて過ごした者の多い、昨今の若い女子プロたち。だからこそ、ゴルフ中心ではない生活へのあこがれは非常に強い。「できるだけ長くゴルフを続けたい」という選手もいるが「早くゴルフをやめたい」という選手が多い現実がある。
プロアスリートは、競技が最優先になるのは当たり前のことかもしれない。どんな人生を送るか、どこで生活を切り替えるかも本人次第。それでも、他競技に比べて長くプレーできるトップレベルで戦い続ける可能性を、ネガティブな理由で離れてしまうのはもったいない話だ。ワークライフバランスをうまく取りながら続けていくことを、もっと考えてもいいのではないだろうか。
コロナ禍だからこそ、自分と向きあった時間を大切にしている、と口にした女子プロは、実は一人二人ではない。それが、これからの彼女たちの日々に豊かに彩ってくれるのなら、それに越したことはない。プレーそのものにすぐに反映されなくても、やがてどこかで必ず糧になるのだから。(文・小川淳子)
ゴルフの世界ではどうだろうか。シーズン中は毎週、試合があるのが当たり前の状況だった女子プロたちは、試合がなくなってみて「早く試合がしたい」という強い気持ちを持った。試合のありがたみを改めて感じたプロも多い。ポツリ、ポツリとおこなわれている試合に新鮮な気持ちで臨んでいる。こうした気持ちを味わったことは決してマイナスにはならないはずだ。むしろ有意義な時間を過ごした、と思えれば、この先への財産となる。
ジュニア時代、学業も含めた学校生活や、家族でのごく当たり前の日常よりもゴルフを優先させて過ごした者の多い、昨今の若い女子プロたち。だからこそ、ゴルフ中心ではない生活へのあこがれは非常に強い。「できるだけ長くゴルフを続けたい」という選手もいるが「早くゴルフをやめたい」という選手が多い現実がある。
プロアスリートは、競技が最優先になるのは当たり前のことかもしれない。どんな人生を送るか、どこで生活を切り替えるかも本人次第。それでも、他競技に比べて長くプレーできるトップレベルで戦い続ける可能性を、ネガティブな理由で離れてしまうのはもったいない話だ。ワークライフバランスをうまく取りながら続けていくことを、もっと考えてもいいのではないだろうか。
コロナ禍だからこそ、自分と向きあった時間を大切にしている、と口にした女子プロは、実は一人二人ではない。それが、これからの彼女たちの日々に豊かに彩ってくれるのなら、それに越したことはない。プレーそのものにすぐに反映されなくても、やがてどこかで必ず糧になるのだから。(文・小川淳子)