日本の女子ツアーは年々若年化が進むとともに、早く第一線を離れる選手が増えている。ジュニア時代からゴルフ一筋だったため、早くそこから離れたい、という者が多いという事情もあるが、前述のように妊娠、出産を望んだ時に試合に戻れる環境がないことも大きい。ベビーシッターを雇う場合もないわけではないが、まだまだパートナーや双方の両親、祖父母、姉妹などのサポートに頼るしかないのが実情だ。
男性だったらどうだろうか。男性自身が妊娠したり、出産したりすることはできないが、子供ができたからといって仕事を辞めることはめったにない。ようやく男性も育休を使うことが増えては来ているが、それでも「子供ができた」といって「仕事どうする?」と聞かれることもない。子供ができても働くのは当たり前だし、子育てに少しでもかかわると“イクメン”などと讃えられたりする。子育てを“手伝う”などとんでもない話で、親として一緒にしていくのが当然だという意見もあるのに…。
こうしてゴルフの世界に限らず、日本はいつまでたっても“おっさん社会”から抜け切れない。女性でも、自分の物さしを勝手に押し付けることで、気づかずに“おっさん社会”をサポートしてしまう人間が多いのが実情だ。社会の仕組みと意識を変えようとしない人間が多いからだ。
横峯は、若いころから「結婚したらゴルフはやめる」と公言していたが、結婚後、夫の助言で米ツアーに挑んでから、ゴルフがどんどん好きになったと話していたことを思い出す。だからこそ、34歳での妊娠発表でも、同時に2021年後半でのツアー復帰の意向だ。日米両ツアーでプレーし、米国での優勝、そして日本での永久シード(通算30勝)という目標も掲げているのだろう。
生涯スポーツであるゴルフ。第一線で戦える時間は、生涯とはいえないが、それでもスポーツの中では非常に長い部類に入る。ゴルフとともに、人生を歩んでいく。そんな青写真を妊娠発表とともに見せた横峯。その姿が、日本のツアーを変えてくれることを祈りたい。これまで、出産後、苦労して転戦してきたプロたちはツアーから放っておかれたが、それではプロのためにもツアーのためにもならない。21世紀の今、実力さえあれば,望む者は皆、子供を連れて転戦できるのが当然の姿だ。プロたち個人のためだけでなく、女性の社会進出というわかり易い例として、ツアーが世の中からこれまで以上に認められることにも、役立つはずだ。(文・小川淳子)
男性だったらどうだろうか。男性自身が妊娠したり、出産したりすることはできないが、子供ができたからといって仕事を辞めることはめったにない。ようやく男性も育休を使うことが増えては来ているが、それでも「子供ができた」といって「仕事どうする?」と聞かれることもない。子供ができても働くのは当たり前だし、子育てに少しでもかかわると“イクメン”などと讃えられたりする。子育てを“手伝う”などとんでもない話で、親として一緒にしていくのが当然だという意見もあるのに…。
こうしてゴルフの世界に限らず、日本はいつまでたっても“おっさん社会”から抜け切れない。女性でも、自分の物さしを勝手に押し付けることで、気づかずに“おっさん社会”をサポートしてしまう人間が多いのが実情だ。社会の仕組みと意識を変えようとしない人間が多いからだ。
横峯は、若いころから「結婚したらゴルフはやめる」と公言していたが、結婚後、夫の助言で米ツアーに挑んでから、ゴルフがどんどん好きになったと話していたことを思い出す。だからこそ、34歳での妊娠発表でも、同時に2021年後半でのツアー復帰の意向だ。日米両ツアーでプレーし、米国での優勝、そして日本での永久シード(通算30勝)という目標も掲げているのだろう。
生涯スポーツであるゴルフ。第一線で戦える時間は、生涯とはいえないが、それでもスポーツの中では非常に長い部類に入る。ゴルフとともに、人生を歩んでいく。そんな青写真を妊娠発表とともに見せた横峯。その姿が、日本のツアーを変えてくれることを祈りたい。これまで、出産後、苦労して転戦してきたプロたちはツアーから放っておかれたが、それではプロのためにもツアーのためにもならない。21世紀の今、実力さえあれば,望む者は皆、子供を連れて転戦できるのが当然の姿だ。プロたち個人のためだけでなく、女性の社会進出というわかり易い例として、ツアーが世の中からこれまで以上に認められることにも、役立つはずだ。(文・小川淳子)