「ファーストカットでボールが沈んでいたということもあり、フェアウェイウッドなら狙えたかもしれませんが、危険な選択をする必要がない場面でした。そして先に打った東さんもレイアップしていたので安心というか、同じようにしようと考えました」
つまり、相手の出方を見て戦法を変えたということ。簡単に話しているが、なかなかできることではない。最近は「自分のゴルフに集中する」、「目標スコアだけを考える」とスコアボードを見ない選手が増えた。もちろん、結果がすべて。自分が勝てるやり方でやればいい。だが、相手のスコアやプレーを見てどう攻めるかを考えるほうが、戦い方に幅も出る。一方で、相手を見ることでのリスクも少なくない。今回、古江を襲った“緊張感”もその1つだろう。
プロコーチの辻村明志氏は、古江がこういったプレーができる理由として総合力の高さを挙げた。「弱点がなく、ゴルフの完成度が非常に高い選手なので、意識を相手やスコアに持っていけるのだと思います。低ければ自分のことで精いっぱい。流れを読む余裕も生まれません」。スイングの安定度、ショートゲームの精度の高さ…。技術面に不安がないからこそできる芸当ともいえる。
優勝会見で「後半になって緊張してしまったのが悔い残る。今回の経験を生かして変えていけたらいい」と話した通り、まだまだ盤石な戦い方とは言えない。このパー5も確実にパーをとることはできたものの、バーディとはならなかった。緊張感を乗り越えること、そして相手を見て戦ううえでの勝負どころでの精度はもっとブラッシュアップできるはずである。それができるようになったとき、いよいよ賞金女王や世界が見えてくるだろう。だが、20歳にしてこの完成度と伸びしろ。やはりプラチナ世代で最初に複数回優勝を達成した実力は伊達じゃない。(文・秋田義和)
つまり、相手の出方を見て戦法を変えたということ。簡単に話しているが、なかなかできることではない。最近は「自分のゴルフに集中する」、「目標スコアだけを考える」とスコアボードを見ない選手が増えた。もちろん、結果がすべて。自分が勝てるやり方でやればいい。だが、相手のスコアやプレーを見てどう攻めるかを考えるほうが、戦い方に幅も出る。一方で、相手を見ることでのリスクも少なくない。今回、古江を襲った“緊張感”もその1つだろう。
プロコーチの辻村明志氏は、古江がこういったプレーができる理由として総合力の高さを挙げた。「弱点がなく、ゴルフの完成度が非常に高い選手なので、意識を相手やスコアに持っていけるのだと思います。低ければ自分のことで精いっぱい。流れを読む余裕も生まれません」。スイングの安定度、ショートゲームの精度の高さ…。技術面に不安がないからこそできる芸当ともいえる。
優勝会見で「後半になって緊張してしまったのが悔い残る。今回の経験を生かして変えていけたらいい」と話した通り、まだまだ盤石な戦い方とは言えない。このパー5も確実にパーをとることはできたものの、バーディとはならなかった。緊張感を乗り越えること、そして相手を見て戦ううえでの勝負どころでの精度はもっとブラッシュアップできるはずである。それができるようになったとき、いよいよ賞金女王や世界が見えてくるだろう。だが、20歳にしてこの完成度と伸びしろ。やはりプラチナ世代で最初に複数回優勝を達成した実力は伊達じゃない。(文・秋田義和)