インタビュアーの沼沢聖一に「良かったね」とマイクを向けられると、岡本は両手で顔を覆い、涙で声を詰まらせた。しばらくの沈黙の後、「うれしいです」と感極まった。
「やっぱりゴルファーとして一番の名誉あるタイトルですしね。アメリカに10年以上も行きながら、こうやってまた日本に帰ってきて、もう…」と消え入りそうな声に。ここでギャラリーから「来年も勝てよー」と叫ぶ声が聞こえ、しばし大きな拍手が続く。そして「今はもう何も言えないですね」と振り絞った。
最終日はスタートの1番パー5をバーディとした後、ずっと耐えるゴルフとなった。前半は2つ落としてトータルイーブンで折り返す。トップの村井真由美を、1打差で岡本と塩谷育代が追う展開となった。そんな岡本に12番でピンチが訪れる。ガードバンカーからのショットがトップしてグリーン奥の難しいラフに。ライは逆目でボールは沈んでいる。カップまでは下っていて、大オーバーの危険もあった。
そのとき岡本は「ゴルフなんかやめちゃってもいいなと思っていたんですね。プロとしての自分のプライドが許さなかった。ああいうミスショットをしたことがすごく悔しかった」と一度はタイトルを諦めようとしていた。ところがポンッと打ったアプローチはスルスルと吸い込まれるようにしてカップに消える。勝利の女神が微笑んだ奇跡のチップインパーだった。
「ゴルフなんて嫌だ嫌だと思いながらアプローチしたら、チップインしちゃって。あそこでもっともっと続けるうちにいいことがある。ここで諦めちゃいけない。それで吹っ切れましたね」と優勝戦線に踏みとどまった。その後は惜しいバーディパットがいくつもありながらもカップに嫌われ続けて、バックナインは9つパーを並べてホールアウト。当時28歳で賞金ランクトップを走っていた村井真由美とのプレーオフとなった。
14番パー4で行われたプレーオフ。パーシモンのドライバーによるティショットをフェアウェイにしっかり置いた岡本に対して、村井は左のラフに曲げてしまう。しかし、先にセカンドショットを打った村井が、ラフからピンそば3mにつけるスーパーショット。岡本はそれに動じることなく、やわらかいスイングから村井の内側につけるショットをお返し。そのバーディパットは、村井は外して岡本は決め、先ほどの優勝インタビューへとつながる。
「やっぱりゴルファーとして一番の名誉あるタイトルですしね。アメリカに10年以上も行きながら、こうやってまた日本に帰ってきて、もう…」と消え入りそうな声に。ここでギャラリーから「来年も勝てよー」と叫ぶ声が聞こえ、しばし大きな拍手が続く。そして「今はもう何も言えないですね」と振り絞った。
最終日はスタートの1番パー5をバーディとした後、ずっと耐えるゴルフとなった。前半は2つ落としてトータルイーブンで折り返す。トップの村井真由美を、1打差で岡本と塩谷育代が追う展開となった。そんな岡本に12番でピンチが訪れる。ガードバンカーからのショットがトップしてグリーン奥の難しいラフに。ライは逆目でボールは沈んでいる。カップまでは下っていて、大オーバーの危険もあった。
そのとき岡本は「ゴルフなんかやめちゃってもいいなと思っていたんですね。プロとしての自分のプライドが許さなかった。ああいうミスショットをしたことがすごく悔しかった」と一度はタイトルを諦めようとしていた。ところがポンッと打ったアプローチはスルスルと吸い込まれるようにしてカップに消える。勝利の女神が微笑んだ奇跡のチップインパーだった。
「ゴルフなんて嫌だ嫌だと思いながらアプローチしたら、チップインしちゃって。あそこでもっともっと続けるうちにいいことがある。ここで諦めちゃいけない。それで吹っ切れましたね」と優勝戦線に踏みとどまった。その後は惜しいバーディパットがいくつもありながらもカップに嫌われ続けて、バックナインは9つパーを並べてホールアウト。当時28歳で賞金ランクトップを走っていた村井真由美とのプレーオフとなった。
14番パー4で行われたプレーオフ。パーシモンのドライバーによるティショットをフェアウェイにしっかり置いた岡本に対して、村井は左のラフに曲げてしまう。しかし、先にセカンドショットを打った村井が、ラフからピンそば3mにつけるスーパーショット。岡本はそれに動じることなく、やわらかいスイングから村井の内側につけるショットをお返し。そのバーディパットは、村井は外して岡本は決め、先ほどの優勝インタビューへとつながる。