<大王製紙エリエールレディス 初日◇19日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6545ヤード・パー71>
「デサントレディース東海クラシック」2日目のラウンド後に行われた、ドライビング女王コンテストで、ツアー屈指の飛ばし屋・穴井詩に0.1ヤードに肉薄する268ヤードを飛ばして3位となったルーキー・河野杏奈。だが、その飛距離を持ちながら、ここまでは10試合に出場して予選落ちが7回、22位タイが最高位とプロの洗礼を浴びていた。それが「大王製紙エリエールレディス」で首位と3打差の3アンダー・4位タイ。プロ転向後、最高のスタートを切った。
初日の模様を写真でプレーバック【大会フォト】
好発進の要因はドライバーのスイッチにあった。クラブフィッターで、今大会では河野のキャディを務める鹿又芳典氏の勧めで、11月の「樋口久子 三菱電機レディス」でテーラーメイドの『SIM MAX』にしたことだった。
「シーズン序盤はドライバーが曲がっていて、夏や秋はラフが深いことが多くどうすることもできないことが多かったんです。でも、ドライバーを替えた後、ステップ・アップ・ツアーのダイクレレディースに行ったときに、狭いコースなのにOBを打たずにプレーできました。それが自信になりました」
河野曰く「前回のドライバーとデータ的な数字はあまり変わらないですが、気分転換も兼ねて打ったら感触が良かった」。鹿又氏は河野とSIM MAXが合っている理由は2つあるという。
「河野プロは元々ドローヒッターということもあって、慣性モーメントが大きく、右にも滑らず左にも行かないヘッドが合っています。元々G400 MAXを使っていて、同じテイストでより右に滑らないモデルがいいと思い、SIM MAXを勧めました」
もう1つはSIM MAXのデザインが構えやすい点。「SIM MAXは地面に置いた時のクラウンのデザインが非常に分かりやすく、自分にとっての真っすぐが作りやすいんです。この“自分にとって”というのがポイントで、G400 MAXが悪いというわけではなく、G400 MAXはターゲットに向けて“真っすぐ”に見える。対してSIM MAXは自分が打ちたい弾道の“真っすぐ”を作りやすいんです」。
右にも左にもミスが出ていた河野にとって、この2点がピタリとはまった。「ミスを左だけ、つまり一方向にすることができたんです。ドローヒッターにとって左は仕方ないけど、右は嫌。逆球をなくすことでマネジメントがしやすくなりました」。さらに新しいドライバーへの慣れも出てきて、ミスがまとまったことで、本来の飛距離が武器となったのだ。
優勝できなければ、今大会が2020年最後の試合となる。「最後の試合ということで緊張感があります。パー5でしっかりバーディを獲って、狭いホールでパーをセーブするようにしたい。4日間、徐々に調子を上げていきたいと思います」。終盤でようやく見えてきた一筋の光。残り54ホールで、手ごたえを確かなものとしたい。(文・秋田義和)
「デサントレディース東海クラシック」2日目のラウンド後に行われた、ドライビング女王コンテストで、ツアー屈指の飛ばし屋・穴井詩に0.1ヤードに肉薄する268ヤードを飛ばして3位となったルーキー・河野杏奈。だが、その飛距離を持ちながら、ここまでは10試合に出場して予選落ちが7回、22位タイが最高位とプロの洗礼を浴びていた。それが「大王製紙エリエールレディス」で首位と3打差の3アンダー・4位タイ。プロ転向後、最高のスタートを切った。
初日の模様を写真でプレーバック【大会フォト】
好発進の要因はドライバーのスイッチにあった。クラブフィッターで、今大会では河野のキャディを務める鹿又芳典氏の勧めで、11月の「樋口久子 三菱電機レディス」でテーラーメイドの『SIM MAX』にしたことだった。
「シーズン序盤はドライバーが曲がっていて、夏や秋はラフが深いことが多くどうすることもできないことが多かったんです。でも、ドライバーを替えた後、ステップ・アップ・ツアーのダイクレレディースに行ったときに、狭いコースなのにOBを打たずにプレーできました。それが自信になりました」
河野曰く「前回のドライバーとデータ的な数字はあまり変わらないですが、気分転換も兼ねて打ったら感触が良かった」。鹿又氏は河野とSIM MAXが合っている理由は2つあるという。
「河野プロは元々ドローヒッターということもあって、慣性モーメントが大きく、右にも滑らず左にも行かないヘッドが合っています。元々G400 MAXを使っていて、同じテイストでより右に滑らないモデルがいいと思い、SIM MAXを勧めました」
もう1つはSIM MAXのデザインが構えやすい点。「SIM MAXは地面に置いた時のクラウンのデザインが非常に分かりやすく、自分にとっての真っすぐが作りやすいんです。この“自分にとって”というのがポイントで、G400 MAXが悪いというわけではなく、G400 MAXはターゲットに向けて“真っすぐ”に見える。対してSIM MAXは自分が打ちたい弾道の“真っすぐ”を作りやすいんです」。
右にも左にもミスが出ていた河野にとって、この2点がピタリとはまった。「ミスを左だけ、つまり一方向にすることができたんです。ドローヒッターにとって左は仕方ないけど、右は嫌。逆球をなくすことでマネジメントがしやすくなりました」。さらに新しいドライバーへの慣れも出てきて、ミスがまとまったことで、本来の飛距離が武器となったのだ。
優勝できなければ、今大会が2020年最後の試合となる。「最後の試合ということで緊張感があります。パー5でしっかりバーディを獲って、狭いホールでパーをセーブするようにしたい。4日間、徐々に調子を上げていきたいと思います」。終盤でようやく見えてきた一筋の光。残り54ホールで、手ごたえを確かなものとしたい。(文・秋田義和)