また、これは日本人の悪いところだと思うのですが、少し悪くなると「もう渋野はダメだな」と言う人が多くなりました。いやいや待ってください。彼女の場合はホップステップをやらずにいきなりジャンプしちゃったから、今ホップとステップをやり直しているだけだ、と。ゴルフは一足飛びにやったとしても、技術の積み重ねが必要なスポーツです。渋野さんの場合は浮かすアプローチ、止めるアプローチといった技術は、これから覚えていかなければいけないと思っていました。
そしたら一年でホップとステップをやって、もう一度最後にジャンプしてしまうのですから、本当にすごいとしか言いようがありません。なぜ、全米女子オープンであれだけの活躍(優勝争いのすえに4位)ができたのかと言えば、渋野さんの持ち球だと厳しいのかなと思うようなアプローチの状況でも、ロブ系の球をはじめ打てるようになっていたことが理由の1つだと思います。特に最終日の5番で見せた砲台グリーンの奥からのアプローチは、思わず「え〜!」という声が出ました。お見事というほかありませんでしたから。
渋野さんも古江彩佳さんのように試合のなかで成長できる選手だということです。今までできなかったことを試して失敗していたのが、成績が上がらなかった時期。今までの技術でやっていれば、あそこまでダメじゃなかったかもしれない。だけど、「この技術を覚えなければもっと上に行けない」と思い試合の中でチャレンジし続けていたのが、ようやく最後にパチっとパズルがはまったのかなと思います。失敗をして予選落ちすることを怖がっていないんだなと。現場でやれなければ意味がないということを分かっている選手ですよね。
ですので、当然21年の渋野さんにも大きな期待があります。日本とアメリカを行き来するスケジュールだと聞きました。米ツアーの出場権をかけたQシリーズにも出場すると思います。そのなかでもまたさらに成長していってくれるのではないでしょうか。
小田美岐(おだ・みき)/1959年4月5日生まれ、京都府出身。通算6勝。ティーチングプロフェッショナル資格A級も保持している。現在は解説者として国内女子ツアーだけでなく、米国女子ツアーの解説を務めることも多い。21年3月からは日本女子プロゴルフ協会の理事も務める予定で、その手腕に期待がかかる。
そしたら一年でホップとステップをやって、もう一度最後にジャンプしてしまうのですから、本当にすごいとしか言いようがありません。なぜ、全米女子オープンであれだけの活躍(優勝争いのすえに4位)ができたのかと言えば、渋野さんの持ち球だと厳しいのかなと思うようなアプローチの状況でも、ロブ系の球をはじめ打てるようになっていたことが理由の1つだと思います。特に最終日の5番で見せた砲台グリーンの奥からのアプローチは、思わず「え〜!」という声が出ました。お見事というほかありませんでしたから。
渋野さんも古江彩佳さんのように試合のなかで成長できる選手だということです。今までできなかったことを試して失敗していたのが、成績が上がらなかった時期。今までの技術でやっていれば、あそこまでダメじゃなかったかもしれない。だけど、「この技術を覚えなければもっと上に行けない」と思い試合の中でチャレンジし続けていたのが、ようやく最後にパチっとパズルがはまったのかなと思います。失敗をして予選落ちすることを怖がっていないんだなと。現場でやれなければ意味がないということを分かっている選手ですよね。
ですので、当然21年の渋野さんにも大きな期待があります。日本とアメリカを行き来するスケジュールだと聞きました。米ツアーの出場権をかけたQシリーズにも出場すると思います。そのなかでもまたさらに成長していってくれるのではないでしょうか。
小田美岐(おだ・みき)/1959年4月5日生まれ、京都府出身。通算6勝。ティーチングプロフェッショナル資格A級も保持している。現在は解説者として国内女子ツアーだけでなく、米国女子ツアーの解説を務めることも多い。21年3月からは日本女子プロゴルフ協会の理事も務める予定で、その手腕に期待がかかる。