<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇5日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6561ヤード・パー72>
バックナインで一気にまくる。強い渋野日向子がいきなり21年初戦で炸裂した。「ダイキンオーキッドレディス」2日目に6バーディ・1ボギーの「67」とスコアを5つ伸ばし、首位と4打差の5位タイに浮上。優勝圏内で4日間の戦いを折り返した。
シブコ、バーディパットを外してこの笑顔【LIVEフォト】
6つ奪ったバーディの内、4つがパー5のもの。しかも4番のフェアウェイバンカーから2mにつけたものを除けば、全てウェッジでピンに絡めてのものだった。
伸ばしどころでしっかり伸ばす。定石通りの攻め方だったが、実はパー5でのバーディの少なさは課題にしていた部分だった。「19年、20年とバーディ率が少なくてマネジメントの必要性を感じました」。4つのパー5で全てバーディを獲るのは19年の「TOTOジャパンクラシック」以来と久しぶりのこと。
そこでスタイルを大幅にスイッチしたという。以前は「パー5は届く以上、刻むという選択肢はありません」とまで豪語していたが、「マネジメントの必要性を感じた」と状況によっては3打目勝負に持ち込むことも視野に入れるようにしたのだ。
当然そうなってくれば必要となるのは3打目、すなわち100ヤード以内の精度。短い距離でピンに付けられなければ、2オン狙いよりもバーディを獲る確率は低くなる。そこで渋野が取り入れたのがウェッジ4本体制。
昨年まではPW、52度、58度の3本だったが、PWを抜いて46度、51度、54度、57度の4本に。それぞれの距離は46度が105ヤードで、そこから距離は10ヤード刻みとなっている。このセッティングにしたのは、このオフに何度か一緒に練習した石川遼のからの「100ヤード以内の精度を上げるならクラブを増やすという選択肢もある」というアドバイスからだった。
4本にしたことで、これまで52度で調節して打っていた距離も54度のフルショットで対応できるようになった。「1本に頼り過ぎなくなりました」と引き出しを増やして、シンプルに振るだけで良くなっている。もちろん、グリーン周りのアプローチにも幅が出てきた。
パー5で刻む、ということはある種守りに入ったと考えがちだが、渋野は前向きに考えている。「今までの攻撃的な自分のいいところもありますが、プラスアルファをやらないともっと上に行いけないと、アメリカで知りました。なので、日本でもやっていこうと思っています。こういった変化に関してストレスはありませんし、挑戦することにネガティブな感情もありません。いろいろなことをやってみたいという気持ちであふれています」。あくなき向上心は、世界のトップランカーになった今も尽きることはない。
ウェッジだけでなく、6番アイアンを2本入れたり、スイングを替えたりと20年から大きく変化した渋野。「悪くない位置にいるので、上位の争いを楽しみながら、やるべきことに集中して目の前のことをやりたい」。新たな挑戦で結果が出れば、自信も生まれる。19年の「大王製紙エリエールレディス」以来の日本ツアー5勝目へ、ニュースタイルで戦っていく。(文・秋田義和)
バックナインで一気にまくる。強い渋野日向子がいきなり21年初戦で炸裂した。「ダイキンオーキッドレディス」2日目に6バーディ・1ボギーの「67」とスコアを5つ伸ばし、首位と4打差の5位タイに浮上。優勝圏内で4日間の戦いを折り返した。
シブコ、バーディパットを外してこの笑顔【LIVEフォト】
6つ奪ったバーディの内、4つがパー5のもの。しかも4番のフェアウェイバンカーから2mにつけたものを除けば、全てウェッジでピンに絡めてのものだった。
伸ばしどころでしっかり伸ばす。定石通りの攻め方だったが、実はパー5でのバーディの少なさは課題にしていた部分だった。「19年、20年とバーディ率が少なくてマネジメントの必要性を感じました」。4つのパー5で全てバーディを獲るのは19年の「TOTOジャパンクラシック」以来と久しぶりのこと。
そこでスタイルを大幅にスイッチしたという。以前は「パー5は届く以上、刻むという選択肢はありません」とまで豪語していたが、「マネジメントの必要性を感じた」と状況によっては3打目勝負に持ち込むことも視野に入れるようにしたのだ。
当然そうなってくれば必要となるのは3打目、すなわち100ヤード以内の精度。短い距離でピンに付けられなければ、2オン狙いよりもバーディを獲る確率は低くなる。そこで渋野が取り入れたのがウェッジ4本体制。
昨年まではPW、52度、58度の3本だったが、PWを抜いて46度、51度、54度、57度の4本に。それぞれの距離は46度が105ヤードで、そこから距離は10ヤード刻みとなっている。このセッティングにしたのは、このオフに何度か一緒に練習した石川遼のからの「100ヤード以内の精度を上げるならクラブを増やすという選択肢もある」というアドバイスからだった。
4本にしたことで、これまで52度で調節して打っていた距離も54度のフルショットで対応できるようになった。「1本に頼り過ぎなくなりました」と引き出しを増やして、シンプルに振るだけで良くなっている。もちろん、グリーン周りのアプローチにも幅が出てきた。
パー5で刻む、ということはある種守りに入ったと考えがちだが、渋野は前向きに考えている。「今までの攻撃的な自分のいいところもありますが、プラスアルファをやらないともっと上に行いけないと、アメリカで知りました。なので、日本でもやっていこうと思っています。こういった変化に関してストレスはありませんし、挑戦することにネガティブな感情もありません。いろいろなことをやってみたいという気持ちであふれています」。あくなき向上心は、世界のトップランカーになった今も尽きることはない。
ウェッジだけでなく、6番アイアンを2本入れたり、スイングを替えたりと20年から大きく変化した渋野。「悪くない位置にいるので、上位の争いを楽しみながら、やるべきことに集中して目の前のことをやりたい」。新たな挑戦で結果が出れば、自信も生まれる。19年の「大王製紙エリエールレディス」以来の日本ツアー5勝目へ、ニュースタイルで戦っていく。(文・秋田義和)