風は左から吹き、右には池が待ち構えている状況。そこで握ったドライバーを振り抜いた。だが左を狙ったボールが思ったよりも右へ。「池に入ったかな」という不安もよぎった。しかしかろうじて最悪の事態は回避。セカンドショットで、残り20ヤードのアプローチを58度のウェッジで1メートルに寄せ、バーディを奪った。
「ギリギリのラインをついていたんだなと思った。ラッキーでしたね」。ここでリスクをとったことで、単独1位の座に躍り出るというリターンが返ってきた。すると続く16番も3メートルをねじ込みバーディ。最終18番では2メートルのパーパットを残すピンチも訪れた。「パターにあまり自信がなくて、半分入らない覚悟で打ちました」というこの場面できっちりとパーをセーブし、後続のプレーが終わるのを練習グリーンで待った。
“天然キャラ”、“のほほん”などと形容される小祝が見せた強気。今年は「賞金女王を狙います」と公言するなど、これまでにはなかった姿を見せている。小祝を指導する辻村明志コーチも、「意識がこれまでとは全然違う」とその変貌ぶりには目を見張る。そして「これまでネガティブだったのが、ポジティブな要素を口にする。そして言い切ったら、達成に向けて努力することができる選手です」と、目を細めた。
「ハーフターンの時に強い風が吹いたし、雨も降ってきてキャリーも出ない。手の感覚も無くなって寒かったです」というコンディションも、弱点克服のために練習を積み重ねてきた低い球で攻略した。勝っても、負けても、試合翌日の月曜日にはコーチのもとを訪れ続けてきた練習が、今年3戦2勝と大きな実を結んでいる。
この勝利で賞金1800万円を獲得。今季通算は早くも1億円突破となる1億314万2208円となり、これで賞金ランク1位に浮上した。「まだ3試合目なので意識していない。来週から(申)ジエさんも帰ってくると思う。ここからまた頑張らないと」。改めて賞金女王への意識を聞かれた時は、これまで見せてきた“慎重な”小祝さくらの姿に戻っていた。(文・間宮輝憲)
「ギリギリのラインをついていたんだなと思った。ラッキーでしたね」。ここでリスクをとったことで、単独1位の座に躍り出るというリターンが返ってきた。すると続く16番も3メートルをねじ込みバーディ。最終18番では2メートルのパーパットを残すピンチも訪れた。「パターにあまり自信がなくて、半分入らない覚悟で打ちました」というこの場面できっちりとパーをセーブし、後続のプレーが終わるのを練習グリーンで待った。
“天然キャラ”、“のほほん”などと形容される小祝が見せた強気。今年は「賞金女王を狙います」と公言するなど、これまでにはなかった姿を見せている。小祝を指導する辻村明志コーチも、「意識がこれまでとは全然違う」とその変貌ぶりには目を見張る。そして「これまでネガティブだったのが、ポジティブな要素を口にする。そして言い切ったら、達成に向けて努力することができる選手です」と、目を細めた。
「ハーフターンの時に強い風が吹いたし、雨も降ってきてキャリーも出ない。手の感覚も無くなって寒かったです」というコンディションも、弱点克服のために練習を積み重ねてきた低い球で攻略した。勝っても、負けても、試合翌日の月曜日にはコーチのもとを訪れ続けてきた練習が、今年3戦2勝と大きな実を結んでいる。
この勝利で賞金1800万円を獲得。今季通算は早くも1億円突破となる1億314万2208円となり、これで賞金ランク1位に浮上した。「まだ3試合目なので意識していない。来週から(申)ジエさんも帰ってくると思う。ここからまた頑張らないと」。改めて賞金女王への意識を聞かれた時は、これまで見せてきた“慎重な”小祝さくらの姿に戻っていた。(文・間宮輝憲)