そんな小祝のルーティンが奏功したのが、終盤の緊張感あふれる優勝争いだった。15番の1オン狙いに目がいくが、その後のアプローチをピタリと寄せてバーディ。続く16番パー5でも3打目を寄せてバーディ。17番はグリーンを外すも入りそうな寄せを見せてパーセーブ。18番でも構えてすぐ放ったアプローチは「カップの先が下りで難しい状況でしたが、やることは決まっていたので、打つだけでした」(辻村)と、これを2メートルに寄せた。そのあとのパーパットもためらうことなく流し込んだシーンも、実に小祝らしかった。
「例えば18番の2打目は難しい状況で、すこしだけ右に出てしまいましたが、3打目を打つ前にアプローチをどうしようというのも考えていたと思いますし、事前の準備もしっかりとできていたと思います。だからシンプルにやっているように見えるのでしょう」
昨年8月に小祝が使うコースメモを見た辻村氏は、あまりの情報の少なさに気づき、感じたことや情報を書き込むことを推奨。そんなプラス材料も加わり、今の小祝は情報収集、準備、実践という流れが当たり前のようにできている。それもすべては、基本の練習をひたすら続けてきているから。「今年の目標が複数回優勝と賞金女王でしたが、これで一つはすでにクリアしたので、また考えないといけませんね」。練習の虫で知られる小祝だからこそ、悪天候でも崩れない強さが光った。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
「例えば18番の2打目は難しい状況で、すこしだけ右に出てしまいましたが、3打目を打つ前にアプローチをどうしようというのも考えていたと思いますし、事前の準備もしっかりとできていたと思います。だからシンプルにやっているように見えるのでしょう」
昨年8月に小祝が使うコースメモを見た辻村氏は、あまりの情報の少なさに気づき、感じたことや情報を書き込むことを推奨。そんなプラス材料も加わり、今の小祝は情報収集、準備、実践という流れが当たり前のようにできている。それもすべては、基本の練習をひたすら続けてきているから。「今年の目標が複数回優勝と賞金女王でしたが、これで一つはすでにクリアしたので、また考えないといけませんね」。練習の虫で知られる小祝だからこそ、悪天候でも崩れない強さが光った。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。