そんな古江には、優勝圏内で迎える最終日の前日に必ず口にする言葉がある。「あしたも楽しんでやりたい」。本人は『楽しむ』についてこう言及している。「1打1打ミスしても楽しく前向きに考えることが、楽しくできることかなと思っています」。ジエのいう「ブレない強さ」の根幹には、ミスを引きずらない『楽しむ』ゴルフがあるのだ。
アマチュア時代に活躍した選手でも、プロになった途端、成績が出なくなることがある。ゴルフが職業になると、楽しめなくなるからだ。しかし古江には当てはまらない。「アマチュアで見たときから非常にしっかりしている選手だと思っていました。プロになってより彼女の目標設定がはっきりとして、淡々とやるべきことをこなしていく姿が、本当に魅力的だなと思います」とジエは話す。
3日間ボギーフリーでプロ初優勝を挙げた昨年の「デサントレディース東海クラシック」では、さすがの古江も緊張を感じていた。「プロとしての初優勝を意識したのか、後半からだが動かなくなってきた気がしました。守らなくてはいけないけど、攻めなくてはいけないという気持ちが邪魔していた」と語っている。
「古江さんに限らず、一緒に回る若い選手が緊張している姿やひたむきな真面目さを見ると、かわいいと感じるし、うらやましい気持ちもある」とジエはいうが、古江の勝ち方は、かわいさや初々しさの段階を超えている感はある。プロ1勝目と2勝目はともにプレーオフで30センチにつけるスーパーショットで勝利をもぎ取り、3勝目の「大王製紙エリエールレディス」では2位に3打差をつけて逃げ切った。
韓国と米国で賞金女王に輝いているジエだが、まだ日本で女王のタイトルは獲れていない。同じく賞金女王を目指す古江と優勝争いや賞金争いになったとき、勝負強さを発揮するのはいったいどちらなのだろうか。古江の安定感や勝負強さは、ジエのそれに着実に近づいている。
申ジエ(しん・じえ)
1988年4月28日生まれ、韓国全羅道出身、スリーボンド所属。155センチという身長で母国韓国、そして米国の賞金女王に輝いたジエが、日本ツアーを主戦場に移したのが2014年。「温かい人間味を感じる国でやってみたい」というのが理由で、本格参戦後は元世界ランク1位の名に違わぬ実力でカップを積み重ねている。また、たびたび児童施設に寄付するなど人格者としても後輩たちの良い手本に。米ツアー時代は最終日に無類の強さを発揮することから“Final Round Queen”と呼ばれており、日曜日の強さは日本になっても変わることはない。
アマチュア時代に活躍した選手でも、プロになった途端、成績が出なくなることがある。ゴルフが職業になると、楽しめなくなるからだ。しかし古江には当てはまらない。「アマチュアで見たときから非常にしっかりしている選手だと思っていました。プロになってより彼女の目標設定がはっきりとして、淡々とやるべきことをこなしていく姿が、本当に魅力的だなと思います」とジエは話す。
3日間ボギーフリーでプロ初優勝を挙げた昨年の「デサントレディース東海クラシック」では、さすがの古江も緊張を感じていた。「プロとしての初優勝を意識したのか、後半からだが動かなくなってきた気がしました。守らなくてはいけないけど、攻めなくてはいけないという気持ちが邪魔していた」と語っている。
「古江さんに限らず、一緒に回る若い選手が緊張している姿やひたむきな真面目さを見ると、かわいいと感じるし、うらやましい気持ちもある」とジエはいうが、古江の勝ち方は、かわいさや初々しさの段階を超えている感はある。プロ1勝目と2勝目はともにプレーオフで30センチにつけるスーパーショットで勝利をもぎ取り、3勝目の「大王製紙エリエールレディス」では2位に3打差をつけて逃げ切った。
韓国と米国で賞金女王に輝いているジエだが、まだ日本で女王のタイトルは獲れていない。同じく賞金女王を目指す古江と優勝争いや賞金争いになったとき、勝負強さを発揮するのはいったいどちらなのだろうか。古江の安定感や勝負強さは、ジエのそれに着実に近づいている。
申ジエ(しん・じえ)
1988年4月28日生まれ、韓国全羅道出身、スリーボンド所属。155センチという身長で母国韓国、そして米国の賞金女王に輝いたジエが、日本ツアーを主戦場に移したのが2014年。「温かい人間味を感じる国でやってみたい」というのが理由で、本格参戦後は元世界ランク1位の名に違わぬ実力でカップを積み重ねている。また、たびたび児童施設に寄付するなど人格者としても後輩たちの良い手本に。米ツアー時代は最終日に無類の強さを発揮することから“Final Round Queen”と呼ばれており、日曜日の強さは日本になっても変わることはない。