棄権した先週は、水曜日に左手首の違和感を覚えると、初日の8番で激痛が走った。地元の栃木県で開催されているナショナルオープンへの思いが強かっただけに、「ゴルフ場で涙が出たのははじめて。地元の方が応援に来ているのに、自分の管理能力のなさで…。それ以来、昨日まで毎日その夢を見ていて…。（悔しさを）違う形で返したいと思っていました」とケガの調子を見ながらのラウンドとなったが、そんな強い気持ちが、好スコアを後押ししてくれた。

5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で2位に入るなど、これまでも優勝争いの中に身を投じてきた臼井。1998年度生まれで同学年の選手たちが次々と優勝を重ねていく姿を見つつ、常に優勝を意識してきた。しかし、いまの臼井はあくまでも謙虚に、安全に2日目以降に向かう構えだ。

「そろそろ（優勝）という気持ちはあるんですけど、万全の体制ではないので、不安はあります。最終日に優勝争いできる位置で明日しっかり回れれば」と不安な表情で語る臼井。練習ラウンドを常にともにするほど仲がいい稲見萌寧も4アンダーの5位タイ。「いつも怒られてばかり（笑）」という、1歳年下の親友と優勝争いを演じるためにも、まずは土曜日を乗り切って無事に日曜日へと向かいたい。