1学年下の稲見萌寧は今季8勝を挙げ、さらに東京五輪では銀メダルまで獲得。2学年下のいわゆるプラチナ世代の選手は、西村優菜のメジャー1勝を含む4勝など、計9勝を手にしている。そのなかで、最近の渋野の目標は「予選通過ができれば」というものだった。
しかし、そのなかで渋野は勝った。この大会前まで3戦連続トップ10入りを果たすなど、明らかに成績は上向いていたが、その時でも「優勝できる感覚はない」と話していた。ただ、これは突如転がり込んだ優勝ではない。「いつか勝てる日を夢見て、スイングを試行錯誤したり、練習に取り組んだり、クラブセッティングを替えたりするなかで、最近はその“いつか”が“もう少し”かなと思えることもあった」。そんな感触も得ていた。
奇しくも最終日に同じ組で優勝を争ったのは、西村と3学年下の西郷真央。さらにプレーオフでは高校3年生のアマチュア・佐藤心結(みゆ)が、最後まで粘りをみせた。新陳代謝は日々進む印象だが、今回の勝利でこんなことを感じることもできる。「(取り組みが間違っていないと)思わざるを得ない結果。間違ってないから優勝できたと思う。最後までめげずに自信を持って」。あくまでも目指すのは、この先の未来での活躍。世代交代はアスリートの宿命ともいえるが、それを跳ね返す壁のような存在もどこの世界にも存在する。(文・間宮輝憲)
しかし、そのなかで渋野は勝った。この大会前まで3戦連続トップ10入りを果たすなど、明らかに成績は上向いていたが、その時でも「優勝できる感覚はない」と話していた。ただ、これは突如転がり込んだ優勝ではない。「いつか勝てる日を夢見て、スイングを試行錯誤したり、練習に取り組んだり、クラブセッティングを替えたりするなかで、最近はその“いつか”が“もう少し”かなと思えることもあった」。そんな感触も得ていた。
奇しくも最終日に同じ組で優勝を争ったのは、西村と3学年下の西郷真央。さらにプレーオフでは高校3年生のアマチュア・佐藤心結(みゆ)が、最後まで粘りをみせた。新陳代謝は日々進む印象だが、今回の勝利でこんなことを感じることもできる。「(取り組みが間違っていないと)思わざるを得ない結果。間違ってないから優勝できたと思う。最後までめげずに自信を持って」。あくまでも目指すのは、この先の未来での活躍。世代交代はアスリートの宿命ともいえるが、それを跳ね返す壁のような存在もどこの世界にも存在する。(文・間宮輝憲)