だが、ひとつ問題を解決すれば、次なる問題が浮上してくるのがゴルフ。やればやるほど、経験を積めば積むほど、難題はもちあがるものだ。さまざまなことを試行錯誤して、解決策を導き出すことだろう。それは今日かもしれないし、明日のラウンド中のことになるかもしれない。前に向かって進むことが大事なのだ。「どうすれば直るのか探しています」と話した勝の表情からは、大きな不安はうかがえなかった。あるのは飽くなき探究心と向上心だ。

明日の最終日は予報では雨。風もこれまでの2日間とは逆の風。コースがまったく違う表情を見せ、バーディ合戦は影を潜めることになるかもしれない。1ストローク差の2位に調子を上げてきている前週優勝の渋野日向子も控えている。前々週の「日本女子オープン選手権」覇者の勝とはいえ、まったく気は抜けない。

「明日は久しぶりのシブコとのラウンド。すごく楽しみです。シブコがどう変わったのかを見るのも楽しみ」と、笑顔で勝は話す。その笑顔からは同い年の黄金世代を牽引してきた誇りと自信がうかがえた。でも今現在、「米ツアーに一番近いのは渋野」だと勝はいう。勝だって米ツアー挑戦を目標に掲げている。だからこそ、追いかけるのだという覚悟も勝にはあるのだ。明日の最終日は、自身と覚悟を持っての両者の対決。見る側のわれわれこそ、楽しみだ。（文・河合昌浩）