与えられた期限は約3週間。結論を迫られた主催者たちは、散々に議論を重ねたようだが、結局、17大会すべてが試合を行うためにJLPGAの主張を飲むことを決めた。放送局も含めた主催者すべてが、だ。企業が試合を主催している以上、自分たちだけでなく協賛スポンサーやプロアマのお客さんというビジネスパートナーとの関係がからんでくる。その手前もあって、試合をなくすわけにはいかないという苦渋の決断だった。
約4年に及ぶ放映権争いは、JLPGAの完全勝利で幕を下ろすことになる。長かったモメ事が一段落したわけだが、これで選手もファンもひと安心かと思えば、そうとばかりもいえない実状がある。
女子に限らず、日本のゴルフツアーは長い間に出来上がった独特の慣例の中で大きくなってきた。テレビ放送をつけて試合を『売る』ことで、ファンの裾野を広げてきたのだ。主体となったのは、ツアーではなく広告代理店や運営会社。テレビ局が直接かかわるケースもある。スポンサー企業を主催者とし『公認競技』にして、これを集めてツアーにする。
ツアー側からいえば、長い間、広告代理店や運営会社に“丸投げ”に近い形が続いていた。だからこそ、テレビの編成の都合が優先され、日曜日に行われる最終日ほど録画放送が多かった。結果がなかなかわからない時代ならそれでもよかったが、ネット時代に入り、だれでも結果が早くわかるようになると、ライブでの放送が求められるようになる。徐々にライブ放送が増えてはきたものの、変わらない部分も残される。
並行して女子ツアー人気が高くなり、JLPGAは徐々に発言権を強めてきた。ツアーが試合を主催し、放映権を持つ。スポンサー企業はこれに金を出し、テレビ局は放映権料を支払う。プロスポーツとして当たり前のあり方を求めるようになったのだ。だが一つひとつの試合に対する意識が、JLPGAと各主催者でまったく違っていた。これをJLPGAは甘く見ていた節がある。
「うち(JLPGA)の試合に主催者がお金を払ってくれている」という認識と、「ツアーの一戦だけどうち(企業)の試合」と思っている主催者側。試合前のプロアマや、チケットの配布などを営業ツールとして重要視する企業ほど、その傾向は強い。主催者がテレビ局なら余計にややこしい。
約4年に及ぶ放映権争いは、JLPGAの完全勝利で幕を下ろすことになる。長かったモメ事が一段落したわけだが、これで選手もファンもひと安心かと思えば、そうとばかりもいえない実状がある。
女子に限らず、日本のゴルフツアーは長い間に出来上がった独特の慣例の中で大きくなってきた。テレビ放送をつけて試合を『売る』ことで、ファンの裾野を広げてきたのだ。主体となったのは、ツアーではなく広告代理店や運営会社。テレビ局が直接かかわるケースもある。スポンサー企業を主催者とし『公認競技』にして、これを集めてツアーにする。
ツアー側からいえば、長い間、広告代理店や運営会社に“丸投げ”に近い形が続いていた。だからこそ、テレビの編成の都合が優先され、日曜日に行われる最終日ほど録画放送が多かった。結果がなかなかわからない時代ならそれでもよかったが、ネット時代に入り、だれでも結果が早くわかるようになると、ライブでの放送が求められるようになる。徐々にライブ放送が増えてはきたものの、変わらない部分も残される。
並行して女子ツアー人気が高くなり、JLPGAは徐々に発言権を強めてきた。ツアーが試合を主催し、放映権を持つ。スポンサー企業はこれに金を出し、テレビ局は放映権料を支払う。プロスポーツとして当たり前のあり方を求めるようになったのだ。だが一つひとつの試合に対する意識が、JLPGAと各主催者でまったく違っていた。これをJLPGAは甘く見ていた節がある。
「うち(JLPGA)の試合に主催者がお金を払ってくれている」という認識と、「ツアーの一戦だけどうち(企業)の試合」と思っている主催者側。試合前のプロアマや、チケットの配布などを営業ツールとして重要視する企業ほど、その傾向は強い。主催者がテレビ局なら余計にややこしい。