「最後にすがれるのは師」 “振り切れ！”の一言が変えた原英莉花のゴルフ【辻にぃ見聞】

■師匠の一言で状況が激変

大会が始まる前の火曜日、原は師匠のジャンボこと尾崎将司のもとをおよそ3カ月ぶりに訪れ、そこで『振り切りが足りない』というアドバイスをもらった。そして“振り切ること”を今週のテーマに掲げ、勝利につなげた。この話を聞いた辻村氏の頭には、「最後にすがれるのは師。最後はジャンボさんに求めるものがあった。アドバイス1つでこれだけ大きく変わるんです」ということが浮かんできたという。

このアドバイスについては、「プロにとっての一番のスイング技術は“振り切ること”」と続ける。「気持ちよく振り抜くために、ダウンスイング、トップなど様々なアプローチをするんです。原さんもインパクトに緩みや淀みがあり、体を回し切れていなかったことをジャンボさんが見抜いた。できそうでできないのが、振り切ることなんです。そこを気づかされたのでしょう」。

実際に辻村氏は、最近原のプレーを見て、散り気味のティショットや、アイアンの打点のズレが気にかかっていた。それが一つのアドバイスで、一気に優勝を争うまでに変貌を遂げたことになる。「100勝以上を挙げたほどのジャンボさんが、振り切れというアドバイスをしたということは、これまでの原さんが取り組んできたことのポイントがずれていたのかもしれない。一人でもがいて分からないことを、目が肥えた人が見抜いというわけです。もっと頻繁にアドバイスを求めてもいいと思う。ほったらかしはもったいないですから」。そう辻村氏は“提案”する。

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さらに原は、ジャンボ邸でアドバイスをもらった時、同時に『ダボを打ちすぎだ！』という「お叱りをいただいた」というエピソードも明かしていた。そして見事に今大会はダボが0個。ボギーも4日間でわずかに4つのみに抑えた。尊敬する師匠からの一言で奮起し、優勝会見では「本当は自分で気づかないといけない。感謝しています」と頭を下げたほどだ。