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稲見萌寧が2日目の夜、奥嶋誠昭コーチに送った一通のライン「一人で抱え込んで苦しい」

稲見萌寧が2日目の夜、奥嶋誠昭コーチに送った一通のライン「一人で抱え込んで苦しい」

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2021年11月28日 17時13分

「僕はいつも通りにやっているつもりだったんですけど、本人は調子が悪くて機嫌も悪かったので、あまり話さなかった」と奥嶋氏。「3日目と最終日は、お互いの意見が合うまで相談すると決めていた」。最後の2日間は、しっかりとコミュニケーションを取り合って、古江が単独2位でも逆転できない順位まで引き上げてホールアウトした。

日本女子ゴルフ協会の小林浩美会長は「揺るぎない、強い精神力が素晴らしい」と今シーズンの賞金女王を称えたが、奥嶋コーチは「周りで誰か支えているから、保っていられる。本当はすごく弱い子だと思います」と語る。続けて「ある一定のところまで落ちるんですけど、本人がギリギリで踏みとどまる。その陰には賞金女王を獲りたい思いがあった」と話す。

オリンピックの代表が決まろうとするときも、賞金女王についても、稲見は「獲りたい」と口には出してこなかった。「僕とか、周りでサポートしている親やトレーナーさんにも本人は言わない。オリンピックのときも一緒で、僕らもわかっている。それについては触れないようにいつもどおりに接していました」。本人の思いがわかっているからこそ、プレッシャーがかからないように周りは配慮してきたのだ。

「自分の殻に閉じこもる」稲見を奥嶋コーチが技術的にも精神的にも支え、本当にギリギリの状態で獲得した賞金女王だった。稲見の瞳からは涙が流れ、「通常のシーズンよりも長かったので、たくさんの思いがある。僕も疲れました」。奥嶋コーチの目にも光るものがあった。

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