「ボールはまっすぐいかないし、心臓がバクバクで力も抜けない。『なんでゴルフをやらないといけないのか』と思っていました」。苦しんだ時期を堀はこう振り返る。だが先輩の原江里菜や、18年から指導を受ける森守洋コーチらに支えられ暗く長いトンネルを今年抜け出した。その先でつかんだ優勝だっただけに、平静を保つことはできない。

「思い描いた優勝ではありませんでした。プレーオフをするとも思ってなかった（笑）。でも今回みたいな初優勝でよかった。一生忘れないと思います」

この勝利の瞬間を、13年にツアー2勝を挙げている姉の奈津佳もグリーンサイドで見守っていた。そのことについて聞かれると妹は、「正直ずっともどかしかった。姉は2勝していて私は優勝していない。でも、やっと姉妹優勝したといえる。早く私ももう1勝したいです」と目を輝かせニコリと笑う。姉妹の絆も感じさせた、涙の優勝劇になった。