今のようにスイング解析機などがない時代のことなので、あくまでも私の感覚、感触頼りでした（笑）。私は特に感覚派だったこともあり、クラブの調整をする際、何よりもメーカーの担当者さんとのコミュニケーションを大切にしていました。自分の感覚を言葉で表現するのはとても難しいので、日ごろから私の感覚を理解していただいている方でないと、細かいニュアンスが伝わりにくいというのはありましたね。

現在は、スイングや球筋、スピン量などを解析機で数値化し、それを確認しながら練習することで、自分のスイングを作っているのが主流のようです。数値化することで、客観的に自分を見ることができるのは素晴らしいことだと思います。クラブの調整も、スムーズに進みやすくなっているのではないでしょうか。

数値化することで、クラブについて、より深く追求する気持ちも出てくるでしょうし、シャフトやヘッドなど、細かいことへのこだわりも出てくるでしょう。ゴルフをより深く理解することにつながるでしょう。

ただ、数字だけにこだわりすぎるのもどうかと、個人的には思います。ゴルフは自然の中でプレーするスポーツで、風や気温、湿度などによる微妙な感覚を、スタートした後は自分の力で感じ取るしかありません。自分の感覚を保つことはとても大切だと思います。数値化されたデータと自分の感覚がピタリとマッチすれば、自分のやっていることが正しいという裏付けになり、大きな自信につながります。

そう言った意味でも、開幕直前の現在は、数字と感覚のすり合わせのようなことをしながら開幕に向けて、高ぶる気持ちを整えている選手たちが多いのではないでしょうか。個人的には、開幕戦はあまり完璧な状態で迎えなくてもいいと思っています。先ほども言ったように、試合の緊張感の中でプレーしてみないとわからないことがたくさんあるからです。「よし、こんな感じだな」というくらいの、自分で納得のいくレベルに仕上げて開幕戦を迎えるくらいでちょうどいいと思います。

開幕戦ダイキンオーキッドは、昨年の3倍、3000人限定ですが、観客の皆さんに見てもらえることが決まっています。実際に琉球GCに足を運べる方は、選手たちの変化に気を付けて見ると面白いと思います。