だが、最終ホールで試練がやってくる。バーディを獲りたい18番パー5。2オンを狙った2打目だったが、ボールはバンカーに。さらにヘリが近いため打つどころか、スタンスもまともにとれない。最悪な状況となった。「バックスイングをあげられなかった。ピンには背中を向けて打つしかないと思った」。
バンカーに着いて早々に、川口淳キャディにはパターで左打ちすることを提案された。だが、渡邉は「(左打ちの)イメージが湧かなくて。ボールのライも凹んでいたり、後ろの芝も気になるし。どうしようかと思った」と困惑気味。ただでさえ慣れない左打ちを、初めてバンカー内でする。悩むのも無理はなかった。
だが、最終的に「長くやっているキャディさんなので“乗ります”」と決断。この3打目で5ヤードほど後ろに動かすと、バンカーショットを3メートルにつけてパーをセーブした。「本当に素晴らしいパーを拾った。きょう一番良かったかな(笑)」と絶体絶命の状況で最高の一打を放って首位を守った。
渡邉は統合シーズンとなった20-21年シーズンの開幕戦「アース・モンダミンカップ」を制しており、今大会も優勝となれば16年テレサ・ルー(台湾)以来の“開幕戦連勝”となる。「優勝を意識する位置。そのなかでも、最初からガツガツしても良くないと言い聞かせて。勝ちたい気持ちのなかで、冷静にその時その時のプレーができるかが大事」。最終日も冷静な状況選択でタイトルをつかみ獲る。(文・秋田義和)
バンカーに着いて早々に、川口淳キャディにはパターで左打ちすることを提案された。だが、渡邉は「(左打ちの)イメージが湧かなくて。ボールのライも凹んでいたり、後ろの芝も気になるし。どうしようかと思った」と困惑気味。ただでさえ慣れない左打ちを、初めてバンカー内でする。悩むのも無理はなかった。
だが、最終的に「長くやっているキャディさんなので“乗ります”」と決断。この3打目で5ヤードほど後ろに動かすと、バンカーショットを3メートルにつけてパーをセーブした。「本当に素晴らしいパーを拾った。きょう一番良かったかな(笑)」と絶体絶命の状況で最高の一打を放って首位を守った。
渡邉は統合シーズンとなった20-21年シーズンの開幕戦「アース・モンダミンカップ」を制しており、今大会も優勝となれば16年テレサ・ルー(台湾)以来の“開幕戦連勝”となる。「優勝を意識する位置。そのなかでも、最初からガツガツしても良くないと言い聞かせて。勝ちたい気持ちのなかで、冷静にその時その時のプレーができるかが大事」。最終日も冷静な状況選択でタイトルをつかみ獲る。(文・秋田義和)