球聖ボビー・ジョーンズがゴルフを「パーおじさんとの戦い」と言ったが、バーディを量産するプロゴルファーが、コースとの戦い、パーとの勝負というゴルフの基本を否応もなく思い出してしまうコースが葛城ゴルフ倶楽部なのだ。それだけにここでの勝利は、真の強さの証明となる。

■西郷の好調ぶりは確変中

誰にだってゴルフの好不調の波はある。毎週、試合が続くプロゴルファーならなおさらだ。西郷が開幕戦を勝利したとき「開幕戦は準備をしてきた人しか勝てない」と辻村氏は言っていたが、開幕に照準を合わせてきた調子の波はいつまで続くのだろう？

「選手を指導するときに私がよく見るのは、足裏のバランスなんです。足裏の重心バランスは一番崩れやすく、それがスイングを乱すことになります。西郷選手は足裏のバランスがフィニッシュでピタッと決まって、まったく重心の乱れを感じさせません。西郷選手の好調ぶりは確変中ですね」

体操選手が演技のフィニッシュでピタリと足裏を着地させるように、西郷は「重心バランスが乱れることなくフィニッシュまで振り切れている」と辻村氏はいう。アマチュアはバランスをとろうと頭にばかり意識がいくが、実は足裏のバランスこそがスイングの要なのだ。

■堀琴音の複数回優勝は見えてきた