木下は同級生からの“刺激”について、「ちょっと。目立つのが好きじゃないから（笑）」と冗談っぽく話したが、優勝争いのなかで得たものは大きい。「こんな感じなんだって経験にもなった。緊張はしてなかったと思ったけど体は緊張していた。次にこれを生かしたいです」と、競技者としての意地をのぞかせた。

そして2週前に初優勝を挙げた植竹も、“早く2勝目を”という気持ちは強まるばかり。「（初優勝で）嫌なプレッシャーもなくなってクラブも替えられました。失敗した時の考え方も、違うものになってるし優勝した経験で変わった」。他の選手に追いつけ、追い越せとばかりに進化への試行錯誤を続けている。

「私と植竹が二人で見てて、木下が最終組じゃないみたいな雰囲気でグリーンに上がってきて、手を振ってくるんです（笑）。『来るな、来るな！いまそういう場じゃないから』とか言いながら。最終組で話しかけてくる人いないですから」

先週最終日の18番グリーンで、高橋を祝う気まんまんの木下とのやり取りを笑いながら明かしてくれた。良きライバルで良き仲間。その関係が、それぞれを強くする。