「流れを変えた」と振り返る18番のバーディは3メートルを決めたものだが、その直前に同組の二人が長いパットを決めている、という状況だった。「フタされてない？」と藤田。「大丈夫！　開いてる！」と明るく励ます吉田。こうして気持ちを楽に打ったものが入った。背中を押してくれる存在だ。

シード選手にも復帰し、36歳で迎えるシーズン。だがそのプレーは若々しい。ここまでのドライビングディスタンスは穴井詩（263.00ヤード）に続く2位（252.50ヤード）。オフにはパワー系ではなく、体の柔軟性をあげるトレーニングに励み、筋力はスイングでつけるというやり方で、昨年の245.14ヤード（15位）から大きくその距離を伸ばしている。

首位とは6打差。2011年「富士通レディース」以来、11年ぶりとなる6勝目も不可能ではない位置。ラウンド後、吉田から「あと10年は引退させないから！（笑）」と声を掛けられ笑っていたが、それを聞いた誰もがうなずく、そんなゴルフを続けている。（文・間宮輝憲）