スイングの修正に加えてもうひとつ。山下のプレーを見ていて気付いた人も多いと思うが、“今回から”新しいルーティンを取り入れた。『後方からスパットを見つけ、ボール後ろ30センチくらいにヘッドを置き、フェース面を自分に向ける。つまりリーディングエッジを飛球線と同じ方向に合わせ、そして両足を広げて構えたらボールに正しくヘッドを構えてグリップを握り直す』。このルーティンをドライバーからウェッジ、パターまですべてのクラブで行った。

「決めたところに構えられずに迷っちゃうことが多くて、スイングに影響がありました。どうするかを考えていた」ところで生み出したこの新ルーティン。結果に表れる通りバチっとハマり「しばらくは続けたい」と思えるほど、手ごたえをつかむことができた。

父からのアドバイスに新ルーティンでつかんだメジャー大会でのツアー2勝目。「家族の前で優勝できてうれしかったです。年間複数回優勝が目標なので、これからも頑張りたい」。4日間を通して常にトップに立ち続けた小さな巨人。その存在感はとても大きかった。（文・笠井あかり）