パー5でスコアを伸ばせない状況に「自信を失っていた」と明かし、それがメンタル面の不調の原因となっていたが、作戦変更したおよそ1カ月前から予選通過が増えた。そして、ここにきて自己ベストを更新。ハーフスコアだけでもこれまでの「32」から3打縮める「29」と、笑顔が咲いた。

10番スタートで折り返した1番パー5で、残り220ヤードから2オンを狙った。これは「いける」と判断してのもの。何がなんでも2オンを狙いに行く、これまでの佐藤とは違う。「グリーンを外してもバンカー。最悪パーでは上がれる」。そんな心の余裕からこれを見事に5メートルに2オンし、これを沈めて会心イーグルを奪った。

高校3年生だった昨年10月に存在感を示した実力は本物。徐々にプロ生活にも慣れ、そして少しだけ挫折を味わい、再び浮上してきた。この日の「64」、そして今季ツアー初のハーフ20台というスコアが起爆剤となり、ルーキー優勝いちばん乗りへとつながっていく。（文・高桑均）