まだ白黒写真が当たり前だった暗い昔の写真には、男子ツアーで副賞のオートバイにまたがる大先輩の写真を見たこともありますが、副賞として車が広まる以前のものだと思います。ここに時代が反映されていますね。

ツアー7勝で、私も車は何台かいただきました。一度にたくさんの車には乗れないので、山口県の実家に届けていただいて、日頃は両親やきょうだいに乗ってもらっていた車もあります。

車以外にも、主催者をはじめとするスポンサーのみなさんや、トーナメント開催地の地元関連などで、試合ごとに特徴のある副賞がそれぞれ用意されています。いただいたものの中で特に覚えているのは、日本女子プロゴルフ選手権で優勝した時のノートパソコンです。1993年という時代を覚えている方はお分かりかと思うのですが、今のようなネット社会になるだいぶ以前のこと。パソコンを個人で所有している人もまだ少ない頃です。Appleさんがスポンサーにいてくださったことで当時の最新鋭だったものをいただいたのですが、これが私の“最初の1台”になりました。

自分で撮影した写真が残っているのですが、大きさには時代を感じるものの、何ともカッコいいな、と今でも思います。パソコン通信（当時はそんな言い方をしていました・笑）などから初めて、パソコンの使い方の「いろは」を覚えたものです。

着物や宝石、漆塗りの座卓、絵画、乳製品1年分など、様々なものをいただいたものです。乳製品に限らず、スポンサーさん関係の食料や日用品などを「1年分」などという単位でいただくのはよくあることです。こういう場合は、1カ月に1回とか、3カ月に1回とかに分けて、何度か届けられることが多いですね。

他に目立つ副賞としては、プレジャーボートやユンボの通称で知られるショベルカーの仲間、お米や肉などの各地の名産品、冷凍食品や飲料などのスポンサー製品や宿泊券、リゾートの使用権など、選手には楽しみなものばかりです。賞金というプロのステイタスとはまた違う醍醐味があるのが、この優勝副賞なのです。