10年、11年シーズンは単年登録でステップアップツアー、レギュラーツアーに参戦していたものの、プロテスト合格は昨年。その年のファイナルQTで31位に食い込み、今季の出場権を得たルーキーだ。「プロという意識のプレッシャーだったり、考えすぎで上手くいかないこともあった」とここ数年はスランプにおちいっていたが、前の晩に「自分のゴルフが出来るかどうか試してきなさい」と声をかけてくれたコーチや、共働きでゴルフにかかる費用を捻出してくれた両親の支えを受けてトレーニングに励んだ。プレーオフで飛ばし屋にもひけをとらなかった飛距離、重点的に練習したというショートゲーム、苦しみながらも懸命に磨いてきたものが間違いなく優勝の原動力となった。

　この日詰め掛けた8,217人の大ギャラリーの前で誕生したニューヒロイン。「自分らしく盛り上げられるような、見ていて楽しいゴルフをすることが目標」。浮き沈みの激しいこの日のプレーはその言葉をまさに体現してみせた、スリリングな20ホールだった。「沢山ギャラリーの方がいて、ワーッてなるほうが好きなので楽しかった」と声援を力にかえることが出来るのもプロ向き。魅せる22歳が群雄割拠の女子ツアーの台風の目となるか。


【最終結果】
優勝：斉藤愛璃(-10)※プレーオフ
2位T：三塚優子(-10)
2位T：李知姫(イ・チヒ)(-10)
4位：菊地絵理香 (-9)
5位T：全美貞(ジョン・ミジョン)(-8)
5位T：横峯さくら(-8)
5位T：飯島茜(-8)
5位T：北田瑠衣 (-8)
9位T：服部真夕 (-7)他2名

16位T：諸見里しのぶ(-5)他6名
31位T：上田桃子(-2)他4名
40位T：工藤遥加(E)他5名