宏さんのアドバイスは、「素振りのときから打ち出し初速のスピードをイメージする」ことだった。またショートパットでは「テークバックをゆっくり大きく上げてしまい、インパクトで合わせてしまうクセがあるので、テンポを一定にするように意識しています」という。これが結果に結びついた。

もうひとつ蛭田の武器があった。「シーズンの最初のうちはイージーなアプローチをミスして取りこぼすことが多かったんです。それで手前からのアプローチをたくさん練習しました」というように、ピッチ＆ランの基本的なアプローチを繰り返し練習したのだという。風が強くなれば強くなるほど、グリーンを外すことが多くなる。当然、アプローチの精度がスコアをつくるうえで重要になってくる。練習を重ねたアプローチが、ここで生きた。5番ホールのバーディはチップインだった。

前週の「ニチレイレディス」まで11試合に出場して、予選落ちが5回。首位と5打の差はあるが5位タイで最終日を迎えるこのチャンスはムダにはしたくない。「目標は常に初優勝とうのがありますが、まずはリランキングで30位以内に入ることを目指しています。トップはスコアを伸ばしているので、あすも上を見ながらやりたいと思います」と、気持ちを引き締めていた。（文・河合昌浩）