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    驚異のフェアウェイキープ率91.07%! 西村優菜の強さは「曲がらない大きな大きな“つなぎ”にある」【辻にぃ見聞】

    驚異のフェアウェイキープ率91.07%! 西村優菜の強さは「曲がらない大きな大きな“つなぎ”にある」【辻にぃ見聞】

    配信日時:2022年7月11日 22時10分

    • JLPGA
    強さの秘訣は“つなぎ”にアリ!
    強さの秘訣は“つなぎ”にアリ! (撮影:鈴木祥)
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    Round 4
    順位ScPLAYER
    1-18西村 優菜
    2-17野澤 真央
    3-16ペ・ソンウ
    4-14福田 真未
    4-14森田 遥
    4-14山下 美夢有
    7-12稲見 萌寧
    8-10木戸 愛
    8-10全美貞
    10-9勝 みなみ
    西村優菜が大会コースレコードとなる18アンダーで今シーズン2勝目、通算6勝目を挙げた「ニッポンハムレディスクラシック」。2日目に首位に立った西村がそのまま独走するかと思われたが、最終日に猛追してきた野澤真央に一時並ばれるなど、本人が「苦しい展開だった」というあわやの場面もあったが、この勝利を上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏はどう見たのか?

    動画で見る、西村優菜の“つなぎ”

    ■曲がらない大きな大きな“つなぎ”で驚異のフェアウェイキープ率

    辻村氏は勝利の要因に、まず西村のフェアウェイキープ率の高さを上げた。初日はフェアウェイキープが14/14、2日目は11/14で3日目には13/14、そして最終日も13/14。4日間で51/56と、今大会のフェアウェイキープ率は驚異の91.07パーセントだった。

    「西村さんが4日間でフェアウェイを外したのは、たったの5回。これは球が曲がらない大きな大きな間があるからです。テークバックの始動からトップ、そしてダウンスイングへのつなぎ、よく切り返しと言われますが、この“つなぎ”に大きな間がある。スイングがゆったり下りてくる人ほど曲がりません」

    西村は大きな間からスーッと下りてきて、インパクト以降、ヘッドが低く長く動いているのだという。

    「ボールの乗り感がいいというか、しっかりフェースに乗せて押すインパクトになっています。“つなぎ”が速いとインパクトが点になってブレやすく、ボールは曲がってしまいます。調子がよくても、ボギーが多いと試合では流れをつくれません。特に北海道のコースは洋芝のラフがやっかいで、フェアウェイキープが重要です。フェアウェイをキープし続けて、ボギーを最小に抑えた勝利でした」

    初日、2日目と西村はボギーなし。そして3日目の12番ホールで今大会初のボギーを叩き、最終日もボギーをふたつに抑えた。本人は「3日目にボギーを打って、気持ちが楽になった」と言っていたが、最終日に競り合った2位の野澤真央は「ビタビタとピンにつけるショットを打ってプレッシャーをかけたかったけど、プレッシャーをかけられるようなゴルフじゃなかった」というほどの安定感だった。

    ■パットの名手が増えている

    西村のパッティングの正確さも他を抜きん出ていると、辻村氏はいう。最終日のパット数は26。大会後の平均パット数(パーオンホール)は1.7452でツアー1位にランキングされている。

    「平均パット数が1.7台というのは、好調ラインの目安です。女子ツアーではパットの名手が増えてきているのですが、西村さんの安定感は群を抜いています」

    2019年シーズンは1.7台が11人、20-21年は14人、22年は現在18人。スタッツを見てもパット名手が増えているのが分かる。辻村氏は大会3日目にゴルフネットワークの『とことん1番ホール」の解説で、全員のティショットからグリーンまでを見ていたが「ショートパットを外さない選手が増えています。1.5メートルを外した選手はほとんどいませんでした」という。

    「今大会でコースレコードが多かったのも、パッティングが向上して攻撃合戦になっているからです。西村さんを最後まで脅かした野澤さんの4日間の平均パット数25.50というスタッツも素晴らしかった。世界で戦える選手が出てきているのは、このパッティングの向上の結果です」

    今大会で西村は、18アンダーでトーナメントレコードでの優勝。2日目には勝みなみが8アンダーでトーナメントコースレコードを出し、3日目にも福田真未が同じく8アンダーで回りトーナメントコースレコードタイの記録を出している。

    ■野澤真央はスイング時の上下動が収まった

    2位になった野澤は女子の枠を超えた、「アスリート感のあるアグレッシブなゴルフを見せる」選手だと辻村は見る。

    「ルーキーのころは体の上下動が大きく頭半分ほど動いていましたが、今はボール一つ分ほどの上下動に抑えられています。体の上下動はスイングがバタつく原因になり、飛距離は出るけど大きく曲げることも少なくありません。野澤さんは上下動が収まり、大きなミスをしなくなりました」

    野澤も最終日のフェアウェイキープは13/14。プロ8年目、3度目の最終日最終組で最後まで「チャンスはまだある」と攻め続けた。これも辻村氏の言う「上下動の収まった」スイングのなせるワザだったのだろう。

    解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
    西村優菜が大会コースレコードとなる18アンダーで今シーズン2勝目、通算6勝目を挙げた「ニッポンハムレディスクラシック」。2日目に首位に立った西村がそのまま独走するかと思われたが、最終日に猛追してきた野澤真央に一時並ばれるなど、本人が「苦しい展開だった」というあわやの場面もあったが、この勝利を上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏はどう見たのか?

    動画で見る、西村優菜の“つなぎ”

    ■曲がらない大きな大きな“つなぎ”で驚異のフェアウェイキープ率

    辻村氏は勝利の要因に、まず西村のフェアウェイキープ率の高さを上げた。初日はフェアウェイキープが14/14、2日目は11/14で3日目には13/14、そして最終日も13/14。4日間で51/56と、今大会のフェアウェイキープ率は驚異の91.07パーセントだった。

    「西村さんが4日間でフェアウェイを外したのは、たったの5回。これは球が曲がらない大きな大きな間があるからです。テークバックの始動からトップ、そしてダウンスイングへのつなぎ、よく切り返しと言われますが、この“つなぎ”に大きな間がある。スイングがゆったり下りてくる人ほど曲がりません」

    西村は大きな間からスーッと下りてきて、インパクト以降、ヘッドが低く長く動いているのだという。

    「ボールの乗り感がいいというか、しっかりフェースに乗せて押すインパクトになっています。“つなぎ”が速いとインパクトが点になってブレやすく、ボールは曲がってしまいます。調子がよくても、ボギーが多いと試合では流れをつくれません。特に北海道のコースは洋芝のラフがやっかいで、フェアウェイキープが重要です。フェアウェイをキープし続けて、ボギーを最小に抑えた勝利でした」

    初日、2日目と西村はボギーなし。そして3日目の12番ホールで今大会初のボギーを叩き、最終日もボギーをふたつに抑えた。本人は「3日目にボギーを打って、気持ちが楽になった」と言っていたが、最終日に競り合った2位の野澤真央は「ビタビタとピンにつけるショットを打ってプレッシャーをかけたかったけど、プレッシャーをかけられるようなゴルフじゃなかった」というほどの安定感だった。

    ■パットの名手が増えている

    西村のパッティングの正確さも他を抜きん出ていると、辻村氏はいう。最終日のパット数は26。大会後の平均パット数(パーオンホール)は1.7452でツアー1位にランキングされている。

    「平均パット数が1.7台というのは、好調ラインの目安です。女子ツアーではパットの名手が増えてきているのですが、西村さんの安定感は群を抜いています」

    2019年シーズンは1.7台が11人、20-21年は14人、22年は現在18人。スタッツを見てもパット名手が増えているのが分かる。辻村氏は大会3日目にゴルフネットワークの『とことん1番ホール」の解説で、全員のティショットからグリーンまでを見ていたが「ショートパットを外さない選手が増えています。1.5メートルを外した選手はほとんどいませんでした」という。

    「今大会でコースレコードが多かったのも、パッティングが向上して攻撃合戦になっているからです。西村さんを最後まで脅かした野澤さんの4日間の平均パット数25.50というスタッツも素晴らしかった。世界で戦える選手が出てきているのは、このパッティングの向上の結果です」

    今大会で西村は、18アンダーでトーナメントレコードでの優勝。2日目には勝みなみが8アンダーでトーナメントコースレコードを出し、3日目にも福田真未が同じく8アンダーで回りトーナメントコースレコードタイの記録を出している。

    ■野澤真央はスイング時の上下動が収まった

    2位になった野澤は女子の枠を超えた、「アスリート感のあるアグレッシブなゴルフを見せる」選手だと辻村は見る。

    「ルーキーのころは体の上下動が大きく頭半分ほど動いていましたが、今はボール一つ分ほどの上下動に抑えられています。体の上下動はスイングがバタつく原因になり、飛距離は出るけど大きく曲げることも少なくありません。野澤さんは上下動が収まり、大きなミスをしなくなりました」

    野澤も最終日のフェアウェイキープは13/14。プロ8年目、3度目の最終日最終組で最後まで「チャンスはまだある」と攻め続けた。これも辻村氏の言う「上下動の収まった」スイングのなせるワザだったのだろう。

    解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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