とはいえ、ジエに限らず活躍を続けてきたプロゴルファーが突如として苦しいシーズンを送るのは少なくない。2年連続の賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国)も翌年は苦しんだし、先述の鈴木だって昨シーズンは1勝と寂しい数字に終わった。なぜ、ジエを取り上げるのか。実績はもちろん、国内女子ツアーの面白さの1つだと思うからだ。
最近面白さが減っているのか。何を言っているのだと思う人も多いだろう。昨シーズンあと一歩優勝に届かずシルバーコレクターとも呼ばれた西郷真央は5勝を挙げ、山下美夢有はメジャー制覇に日本ツアーの18ホール最少ストローク記録を更新と大ブレイク。賞金女王・稲見萌寧は苦しみながらも2勝を挙げ、19歳のメジャーチャンプも誕生した。ほかにも岩井千怜、尾関彩美悠と、渋野日向子と古江彩佳が海外に行こうとも、新たなヒロインは続々と出てきている。だが、以前ほどのカタルシスを感じないのだ。
ここ数年、自ら「若手の壁になる」と言った元世界No.1は文字通り若手、特に黄金世代の前に立ちはだかった。吉本ひかるは7打差を逆転されて初優勝を逃した。原英莉花は目の前で完膚なきまでにやられた。誰よりも苦しめられたのは小祝さくらだろう。時にプレーオフで敗れ、時にねじ伏せられ。実力者の初優勝が遅れたのは、間違いなくジエがいたからと言ってもいい。
だからこそ、17年の「日本女子オープン」でそのジエをねじ伏せて独走した畑岡奈紗を見て、翌年の米ツアーでの活躍を予感したし、8打差逆転を含む2度もジエから逆転優勝を決めて、賞金ランキング、メルセデスランキングでも上回ったルーキーイヤーの渋野の強さは際立った。“あのジエ”に勝ったから。その言葉が黄金世代をより強固なものとしたのである。
別にジエがヒールということではない。世代交代のかませ犬でもない。ただ、あの憎たらしいまでの強さが見られないのが寂しいのだ。ジエに相対する今の選手たちを見たいのだ。抜群の安定感を誇る山下があの強いジエと優勝争いをしたらどうなるのだろう。西郷はジエに勝つためにどんなショットを打つのだろう。尾関はジエのプレッシャーを受けたとき、どう跳ね返すのか。想像するだけでワクワクしてくる。
もちろん、無類の強さを誇ったジエがこのまま終わるとは思えない。ファンと誓った日本での賞金女王もまだ達成しておらず、モチベーションもあるだろう。心配しなくても大丈夫ですよ。そう言わんばかりに今も牙を研いでいるはずだ。
最近面白さが減っているのか。何を言っているのだと思う人も多いだろう。昨シーズンあと一歩優勝に届かずシルバーコレクターとも呼ばれた西郷真央は5勝を挙げ、山下美夢有はメジャー制覇に日本ツアーの18ホール最少ストローク記録を更新と大ブレイク。賞金女王・稲見萌寧は苦しみながらも2勝を挙げ、19歳のメジャーチャンプも誕生した。ほかにも岩井千怜、尾関彩美悠と、渋野日向子と古江彩佳が海外に行こうとも、新たなヒロインは続々と出てきている。だが、以前ほどのカタルシスを感じないのだ。
ここ数年、自ら「若手の壁になる」と言った元世界No.1は文字通り若手、特に黄金世代の前に立ちはだかった。吉本ひかるは7打差を逆転されて初優勝を逃した。原英莉花は目の前で完膚なきまでにやられた。誰よりも苦しめられたのは小祝さくらだろう。時にプレーオフで敗れ、時にねじ伏せられ。実力者の初優勝が遅れたのは、間違いなくジエがいたからと言ってもいい。
だからこそ、17年の「日本女子オープン」でそのジエをねじ伏せて独走した畑岡奈紗を見て、翌年の米ツアーでの活躍を予感したし、8打差逆転を含む2度もジエから逆転優勝を決めて、賞金ランキング、メルセデスランキングでも上回ったルーキーイヤーの渋野の強さは際立った。“あのジエ”に勝ったから。その言葉が黄金世代をより強固なものとしたのである。
別にジエがヒールということではない。世代交代のかませ犬でもない。ただ、あの憎たらしいまでの強さが見られないのが寂しいのだ。ジエに相対する今の選手たちを見たいのだ。抜群の安定感を誇る山下があの強いジエと優勝争いをしたらどうなるのだろう。西郷はジエに勝つためにどんなショットを打つのだろう。尾関はジエのプレッシャーを受けたとき、どう跳ね返すのか。想像するだけでワクワクしてくる。
もちろん、無類の強さを誇ったジエがこのまま終わるとは思えない。ファンと誓った日本での賞金女王もまだ達成しておらず、モチベーションもあるだろう。心配しなくても大丈夫ですよ。そう言わんばかりに今も牙を研いでいるはずだ。