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心ない声に“絶対に見返してやる”  金田久美子、初優勝からの「めっちゃ長かった」11年間

心ない声に“絶対に見返してやる”  金田久美子、初優勝からの「めっちゃ長かった」11年間

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2022年10月30日 18時40分

17番パー4のセカンドをピン手前1メートルにつけ、川崎との差を2打に広げることができたのも大きなアドバンテージになった。18番のバーディパットを外し「最後は決めて勝ちたかった」と笑ったが、この“復活優勝”の価値が変わることはない。

アマチュア時代はまさに順風満帆。8歳で世界ジュニア選手権を制し、プロ転向までに15回のベストアマを獲得するなど「天才少女」の名をほしいままにした。さらに「イケイケなゴルフ」でフジサンケイで初優勝。「恥ずかしい話、プロになりたての頃は、すぐに勝てる、賞金女王にもなれると思っていました」。しかし、その後は苦しい時間が長く続くことになる。いつしか「現実はそんなに甘くない。自分の実力も分かって、現実的な目標に変わりました」と思い描いていた理想像から、どんどん遠ざかっていった。

「ドライバーもキャリー140ヤードのチーピンしか打てない。セカンドもフェアウェイにあって、大きいグリーンなのに乗らない。50センチのパットも外す。こんな恥ずかしいゴルフならやっていても仕方ない」。極度の不振が訪れた6年ほど前、一番苦しかった時期のことをこう振り返る。落ち込み、ゴルフ場に来るだけでじんましんができる。そんな時期だった。それでも「いつか2勝目を」という思いで、アマチュア時代は嫌いだったという練習に取り組んだ。

「こういう見た目だから『練習してない』ってよく言われるんです」。SNSには『こんなことやってるから勝てない』などの心ない声が「他の人よりも多いと思う」というほど届いた。その悔しさをバネに汗をかく毎日。「勝って、いつか証明したい。諦めなければ、それなりに結果がついてくることが見せられた。絶対に見返してやるぞと思っていました」。こんな意地が、折れそうな心をつなぎとめていた。

「イェーイ!」と明るく登場した優勝会見でも、これまでのことを振り返る時には何度も涙をこらえた。25歳で引退という将来像を語っていたこともあったが、気がつくと“ベテラン”と呼ばれるような年齢になっても現役生活は続いている。「まだやるでしょうね。納得いくまで。どこで納得するかは分からないけど、できると思ううちはやる。これでより一層“またできるな”と思った」。決意もさらに強固なものになった。

この優勝で来年の出場権は確保。ここ数年、年末の大一番になっていたQTも今年は出場しなくてもいい。「それが一番うれしい」という本音ももれる。「常に上位で戦える選手が憧れ。そこを目標に」。イケイケだった天才少女は、すっかり大人になり「地に足がついていた」というゴルフで勝利をつかんだ。ただ、「それなりにファッションも楽しんでゴルフがしたいですね。引退するまで年相応にしながら、好きな格好を」という“らしさ”が変わることはない。これからも信念を貫き、次の勝利を狙っていく。(文・間宮輝憲)

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