＜JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ　最終日◇27日◇宮崎カントリークラブ（宮崎県）◇6487ヤード・パー72＞

史上最年少の年間女王が有終の美を飾った。山下美夢有はトータル15アンダーで並んだ勝みなみとのプレーオフを制して今季メジャー2勝目、今季5勝目を挙げた。優勝して女王を戴冠した2週前の「伊藤園レディス」から、使用ギアに大きな変更はなし。ただ、パターにマイナーチェンジがあった。

恒例のフラワーシャワー【写真】

伊藤園レディスでも地元・大阪府を本拠にする地クラブメーカー、リアライズが手がけるプロトタイプパターを使用。その時のものから、山下の父でコーチも務める勝臣さんの意見を取り入れ、重量とソフト打感にミーリングで調整。設計変更もして、なんとか最終戦に間に合った。赤いソールプレート部分には『Family is everything（家族がすべて）』と刻印され、山下一家の気持ちがこもった1本に仕上がっている。

元々、実家近くの工場で作られており「縁があって」試してみたのがきっかけ。「顔と座りがよく」、去年からテストを開始した。当初はピン型しかなかったが、現在使用するマレット型の製作を依頼。それが今年完成し、10月の「樋口久子 三菱電機レディス」から投入。「マレットのほうがバランスやライ角がいい」と信頼を寄せている。今回のミーリングで「打感が軟らかい」のもお気に入りだ。

ただ、日本勢初となる平均ストローク60台（69.9714）に到達した要因を問われると、意外にも、パターではなくショット面を挙げる。「やっぱりショットですね。ドライバーも新しく（スリクソンZX5 Mk IIに）替わったので、飛距離も後半戦から伸びて、そこからセカンドの精度がよくなったのが一番だと思います」と、契約先の新作へ信頼を語る。シャフトをサポートするフジクラのツアー担当も感慨深げにこう話していた。