<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇7日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
この試合が“デビュー戦”となるルーキーたちは、6人中3人が決勝ラウンドに進んだ。そのなかのひとり、19歳の入谷響は同期の吉田鈴とともに、首位と1打差のトータル1アンダー・4位タイで週末行きを決めた。ツアー史上初となる“プロデビュー戦V”も視界に入る。
アンダーパーがわずか7人というロースコア合戦が続くが、入谷も2日目は「耐えるしかなかった」と歯を食いしばってのゴルフ。前半3番でボギーを叩き、そこからパーを並べ続けた。ただ「休憩が入って気持ちが落ち着いた」と、ハーフターンの間に“深呼吸”。すると、13番パー3で4メートルのバーディパットが決まった。
「きのうが一番、緊張しました。ガクガクで」と話すが、地に足もついてきた。その緊張感は「合格しないとプロになれない」というプロテストとも、また別の感覚だ。多くのギャラリーに見守られながらのプレー。プロとしての緊張を楽しんでいる。
“2人のレジェンド”が背中を押す。入谷は男子ツアー通算48勝の中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の生徒として、腕を磨いてきた。「水曜日の夜に電話をくれて、『緊張してるか?』とか、『デビュー戦だから頑張って』とか、ちょっとした会話をしました」。それ以外にも、ラフやフライヤーへの注意も説かれており、それをプレーに生かしている。
また、この春に朝日大2年生になるが、同大ゴルフ部のスーパーバイザーを務める女子ツアー通算41勝の森口祐子にも背中を押された。会場に足を運んでいる森口からは、「周りを気にせず、自分のプレーを続けなさい」という言葉をかけられている。「上を目指して頑張るしかない」。そのプレーで恩返しといきたい。
プロテスト合格後の最短Vは、笹生優花が2020年「NEC軽井沢72」で記録した2試合目。プロデビュー戦で優勝を飾れば、ツアー史上初の快挙となる。ただ本人は、「耐えた結果がこの感じ。あまり意識せずやっていこうかな」と、自然体で残り2日間も戦っていくつもりだ。
吉田も入谷同様、首位との1打差を追いかけていく。トータル3オーバー・25位タイの荒木優奈も、まだまだ上を狙える位置だ。米国ツアー参戦経験を持つ山口すず夏、新人の中でQT最上位の6位で参戦する永田加奈恵、2度目の挑戦でプロテストに合格した徳永歩は、決勝ラウンド進出を逃した。(文・間宮輝憲)
【ルーキーの2日目終了時点の成績】
4位T:吉田鈴(‐1)
4位T:入谷響(‐1)
25位T:荒木優奈(+3)
ーーー以上が予選通過ーーー
58位T:山口すず夏(+6)
76位T:永田加奈恵(+8)
95位T:徳永歩(+11)