＜パナソニックオープンレディース　2日目◇27日◇浜野ゴルフクラブ（千葉県）◇6669ヤード・パー72＞

8番パー3で青木瀬令奈がホールインワンを達成した。ボギーなしの「66」をマークしてトータル10アンダー・8位タイの好位置につけた。レギュラーツアーでは4年ぶり4回目。アマチュア時代を含め「人生では10回目」という値千金の一打で、今季初優勝に向けて前進した。

実測177ヤードで青木が手にしたのは5ユーティリティだった。「普通に打つとちょっと届かないかなと思って右からつかまえてという感じでした」。ピンの2ヤードほど手前に落ちたボールはきれいにカップに吸い込まれた。

ツアーでは2020年「デサントレディース東海クラシック」以来のことだが、その他の試合を含めると、今季ツアー開幕前週に出場した台湾ツアー「フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権」最終日以来2か月ぶり。「うれしいですけど、ワーッと飛び跳ねてとはならないですね。ヨッシャって感じです」と冷静だった。

初めてのホールインワンは高校2年生のとき。「サンコー72の8番。2段グリーンの上の段で120～130ヤードが入ったのを覚えています。（心臓の）バクバクが止まらなくて、次のホールのティショットが大変でした」。後輩と優勝争いをしており、平静を装うのに苦労したという思い出話を披露した。

ツアー全体では6週連続でホールインワンが生まれている。「アクサレディスin宮崎」でプロ初のエース達成を決めた櫻井心那を皮切りに、鈴木愛、藤田さいき、2週連続達成の永井花奈、そして青木と続いて、現在最長記録を更新中。「みんなでリレーしている感じ。女子ツアーが盛り上がる要因でもあると思うので、毎週つないでいきたいですね」。来週のさらなる記録更新にも期待が高まる。

その前に、青木にとっては今季初優勝がかかる最終日。「正直、後半にあと2つ、3つ伸ばしたかったというのはあるんですけど、今日が最終日じゃなくて良かったと気持ちを切り替えて、あしたもバーディを取っていけたら」。昨年は自身初のシーズン2勝。今季はそれを上回る3勝を目標に掲げており、1勝目が早いに越したことはない。「一日4つずつ伸ばして行ければ、と思っていたけれどそれ以上に伸びていますからね。15アンダーまでいってどうかなという感じ」。勝てば通算6勝目。3打差を逆転し最後にもう一度“ヨッシャ”と拳を握るつもりだ。（文・田中宏治）