＜RKB×三井松島レディス　最終日◇14日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース（福岡県）◇6299ヤード・パー72＞

今季2勝目をかけて臨んだプレーオフ2ホール目。岩井ツインズの姉・明愛は2メートルのバーディパットを外すと、その後すぐ妹・千怜のウイニングパットを見届けることになった。姉妹一緒に戦った延長戦を終えると、「おめでとう」と声をかけて勝者を祝福する。

首位でスタートした最終日は「気持ちも入っていました」。決まらなかったパットもショートさせることはなく、カップを越えるような強気のプレーをいた。6個のバーディを奪ったが、4打差を追いかけてきた妹が「65」とビッグスコアをたたき出し、トータル11アンダーで先にホールアウト。そして1打ビハインドで迎えた最終18番で、姉の強気が最高潮に達した。

右ラフからの2打目で握ったのはドライバー。普段から時折パー5で使う戦術を、優勝争いをする緊迫した場面で用いた。「想定はしてなかったですけど、チャンスがあれば（2オンを）狙いたいと思ってやりました」。グリーンに乗ることはなかったが、一気に手前のラフまで運ぶと、3打目のアプローチを2メートルに寄せる。ここでバーディを奪い、土壇場で追いついた。

こうして迎えたのが、山下美夢有を加えた史上初の“双子プレーオフ”。その2ホール目でも、「うまくいけば届く距離。かけてみようかな」と2打目で直ドラを敢行した。するとそれに呼応するように、千怜もフェアウェイでドライバーを握る。「やってくるだろうなと思ってました」。姉妹の意地がぶつかり合った。

初のプレーオフについては「楽しかった」と振り返る。そして「そこに千怜もいた」というのは、やはり感情を揺さぶった。今季2勝目こそ逃したが、「いい経験になりました」とサバサバと振り返る。それでも本音は「8割くやしい」。

ただ、「2割は千怜が優勝したのでうれしい」という気持ちも入り混じっている。次にまた直接対決をする時には「勝ちたいです！」とキッパリ。“最高のライバル”の対決が、日曜日の和白を盛り上げた。（文・間宮輝憲）