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コースセッティングは“メジャー級” ガマン比べの争いで躍動するのは米ツアー組?【大西翔太のSHOWTIME】

米女子ツアー組6人が参戦する国内女子ツアー第2戦。青木瀬令奈コーチ兼キャディを務める大西翔太氏に展望を聞いた。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2025年3月21日 08時00分

開幕戦が始まった! と思えば1週間のオフを挟み、これが国内女子ツアーは今季2試合目。例年から開催地が変わり、千葉県・紫カントリークラブ すみれコースで「Vポイント×SMBCレディス」が行われる。日本ツアーの選手のみならず、米国女子ツアーが急きょオープンウィークになったこともあり、海外組も多く参戦。大注目必至の3日間を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、その会場で展望を占う。

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■3月なのに…さすがメジャーコース

舞台となるコースは、2022年に「日本女子オープン」が行われた場所。その3年前は10月で、ラフは長さ80ミリ“以上”に設定された、まさにメジャーセッティングだったが、今回は3月の平場の大会。とはいえ、「(その時と)ほぼ似ています。グリーンも速くて硬く、転圧もしっかりかけています。ラフは確かに短いけれど、グリーンのアンジュレーションがとても強いので、ラフに入ってしまうと、タテ距離を合わせることがかなり難しくなります」と、大西氏は終始、その難しさを訴える。

とりわけ、難しさを際立たせているのが、その言葉にもあるようにグリーンだ。日本のコースは奥に向かって高くなる受けグリーンが典型的だが、ここは「奥に向かって下り傾斜になる」というシーンも少なくない。「なかなか距離を合わせづらいです。そのままバンカーに流れたり、下り傾斜のアプローチが残ったりしてしまいます」と、マネジメントやショット力が求められる。

近くに寄せられたとしても、最後の最後まで気が抜けない。よくこのコースをラウンドする機会があるという大西氏だが、「1メートルのパットだとしても、カップに蹴られると、倍以上転がってしまいます。1メートルから3パット…なんてこともありますよ」と経験談も織り交ぜ、そのタフさを説明する。ボールがカップに沈むまで、油断は禁物だ。

■ハイスコアの争いと予想

日本女子オープンでは予選カットラインがトータル7オーバーで、優勝スコアがトータル3アンダーだった。4日間トータルアンダースコアは、優勝した勝みなみと2位だった申ジエ(韓国)の2人だけ。今回もそんなガマン大会になりそうだ。

「再びアンダースコアが数人しかいない、という状況になるかもしれません。平気でダブルボギーやトリプルボギーが来てしまうコースで、ガマン大会になります。ミスを最小限にする必要がありますね」。開幕2日前の水曜日には季節外れの雪が降り、プロアマが中止になったが、木曜日には完全に溶けた。「木曜日は(雪解けで)グリーンが軟らかく感じましたが、週末は気温も上がりますし、グリーンも仕上がってくるはずです。コンパクションもより硬くなっていく」と予想。週末にかけて壁は徐々に高くなっていきそうだ。

■集結した米ツアーメンバーに注目

「調子がいい人と悪い人がしっかりあぶり出されるセッティングです」。そんな忍耐強さと総合力が求められる戦いで、大西氏が注目選手としてまず挙げたのが渋野日向子。本人の調子はもちろんのことだが、信頼を置くギアの存在も後押しするとみている。

「クラブ契約フリーになって合うものを探している段階で、楽しく取り組めているように見えます。試合を通して隙のない、妥協のないセッティングづくりができていて、その成果が出てくる頃なのかなと。クラブの知識も増えてきて、それもこれからのアドバンテージになるはず。難しいコースがいまの渋野選手をより成長させますし、これからの米ツアーに向けていい流れをつくっていくと思います」

そして、3年前の日本女子オープンで活躍した3人の米ツアーメンバーにも目を向ける。優勝した勝、3位に入った西村優菜と吉田優利だ。

勝について大西氏は、「冠は違えど、あの2022年の優勝はスゴイのひと言でした。アンダーで回れるんだ、と驚かされました。イメージもいいはずですし、今季はここまで調子もよさそうで、しっかり対応してくると思います」と太鼓判。今季は米女子ツアーの「ファウンダーズカップ」で7位、「ブルーベイLPGA」で12位に入るなど好調を維持している。日本女子オープンを連覇したあの強さを鮮明に覚えているのは、大西氏だけではないだろう。

不振に悩む西村も、ここで兆しをつかみたいところ。3年前は最終日に「68」をマークして順位を上げた。「ここでいいきっかけを作ってもらいたいですね。最終日に爆発的なスコアを出したことは自信にもなっているはずですし、優勝争いをしたというイメージが背中を押してくれると思います」。

開幕戦を制したのは米ツアーを主戦場にする岩井千怜だった。世界最高峰の舞台で戦う選手が勝つか、群雄割拠の日本ツアーの選手が勝つか。「より活性化される試合になる」ことは間違いがなさそうだ。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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