米国女子ツアーの公式戦とあってピンポジションのセットアップなどは、米国女子ツアー仕様で行われた。シビアな位置に切られたピンポジションや、最大で30ヤード以上も変化をつけるティグラウンドの位置変更。3位に入った堀琴音ですら「いつもは左右から8とか7くらいが多いけど、今回は3とか4とかで、セカンド地点ですごくシビアに感じた」と言うだけに、その他日本選手の苦労も想像に難くない。
日本メジャー「ワールドレディス・サロンパス杯」を制し、今大会でも大きな存在感を示したレクシー・トンプソンは言う。「日本人選手は素晴らしいゲームをする選手ばかりだと思う。初日に一緒に回った渡邉彩香選手は飛距離も出てストロングなプレーをするし、世界でもヒケをとらない。ただ、海外とはコースのセッティングがあまりにも違う。海外の試合に出て厳しいセッティングに慣れることも大事」。
米ツアーでの戦いを知る上田桃子も日米の違いを明確に指摘する一人。「例えば、傾斜にピンが切られていて、どれだけ奥に突っ込めるかだったり、いかにローサイドからパターを打てるようにマネジメントを考えさせるのはアメリカに多いセッティング。その厳しいピンにキャリーで打ってくるのは慣れている海外特有のアグレッシブさ。やっぱり慣れていないと、なかなか難しい」。差が生まれるのは技術面よりもむしろ、そうしたセッティングに対するスコアメイクの仕方。やはり、「慣れていくしかない(上田)」。
では、世界基準に慣れるためにはどうすればいいのか。今大会を戦い終えたトンプソンは「ラフはアメリカより短いけど、アンジュレーションが強かったり気をつけないといけない部分は多かった。アメリカに似ているコースだと思う」と新規開催コースを評価した。新たに世界基準のコースを作るのは簡単ではないが、ピンポジションとコースセッティング次第では世界基準の戦いができることは大会が証明している。もちろん上田のように自ら飛び出していくことが一番なのは間違いないが、こうしたセッティングでの戦いが増えることがレベルアップにつながっていくはずだ。
日本男子ツアー下部で自身が主宰を務める大会でコースセッティングを務める石川遼は「ピンポジションは50センチ違うだけで世界が変わる」とまで言った。「傾斜だけではなくて、セカンドの位置からの見え方で難しく見せるロケーションはPGAではよくある」。選手にどんな球を打たせたいか、どんなプレーを引き出したいか、そこに“意図”が明確にあるのが特徴だという。そうした意図に気付いて攻めと守りを両立させるのには、やはり慣れていくしかないのだろう。
日本ゴルフ界も手をこまねいているばかりではない。男子ツアーでは青木功会長のもと田中秀道、佐藤信人といった実績あるプロゴルファーにピンポジションのアドバイスを求めているが、これも世界基準への慣れを意識した取り組みのひとつ。女子ツアーでも世界で戦う選手の育成のために、3年前から小林浩美会長の旗振りのもと海外で主流の4日間大会を増やすなどしてきているし、コースセッティングの面でも海外に競技委員を派遣するなど世界基準化を進めている。
日本メジャー「ワールドレディス・サロンパス杯」を制し、今大会でも大きな存在感を示したレクシー・トンプソンは言う。「日本人選手は素晴らしいゲームをする選手ばかりだと思う。初日に一緒に回った渡邉彩香選手は飛距離も出てストロングなプレーをするし、世界でもヒケをとらない。ただ、海外とはコースのセッティングがあまりにも違う。海外の試合に出て厳しいセッティングに慣れることも大事」。
米ツアーでの戦いを知る上田桃子も日米の違いを明確に指摘する一人。「例えば、傾斜にピンが切られていて、どれだけ奥に突っ込めるかだったり、いかにローサイドからパターを打てるようにマネジメントを考えさせるのはアメリカに多いセッティング。その厳しいピンにキャリーで打ってくるのは慣れている海外特有のアグレッシブさ。やっぱり慣れていないと、なかなか難しい」。差が生まれるのは技術面よりもむしろ、そうしたセッティングに対するスコアメイクの仕方。やはり、「慣れていくしかない(上田)」。
では、世界基準に慣れるためにはどうすればいいのか。今大会を戦い終えたトンプソンは「ラフはアメリカより短いけど、アンジュレーションが強かったり気をつけないといけない部分は多かった。アメリカに似ているコースだと思う」と新規開催コースを評価した。新たに世界基準のコースを作るのは簡単ではないが、ピンポジションとコースセッティング次第では世界基準の戦いができることは大会が証明している。もちろん上田のように自ら飛び出していくことが一番なのは間違いないが、こうしたセッティングでの戦いが増えることがレベルアップにつながっていくはずだ。
日本男子ツアー下部で自身が主宰を務める大会でコースセッティングを務める石川遼は「ピンポジションは50センチ違うだけで世界が変わる」とまで言った。「傾斜だけではなくて、セカンドの位置からの見え方で難しく見せるロケーションはPGAではよくある」。選手にどんな球を打たせたいか、どんなプレーを引き出したいか、そこに“意図”が明確にあるのが特徴だという。そうした意図に気付いて攻めと守りを両立させるのには、やはり慣れていくしかないのだろう。
日本ゴルフ界も手をこまねいているばかりではない。男子ツアーでは青木功会長のもと田中秀道、佐藤信人といった実績あるプロゴルファーにピンポジションのアドバイスを求めているが、これも世界基準への慣れを意識した取り組みのひとつ。女子ツアーでも世界で戦う選手の育成のために、3年前から小林浩美会長の旗振りのもと海外で主流の4日間大会を増やすなどしてきているし、コースセッティングの面でも海外に競技委員を派遣するなど世界基準化を進めている。