<フジサンケイレディス 最終日◇23日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6457ヤード・パー71>
最終日、首位の神谷そらとは5打差の9位タイから出たルーキーの荒川怜郁(あらかわ・れいか)。最後まで“同期”の背中を追いかけたが、あと一歩届かなかった。
最終組の4組前からスタートした荒川は、前半を1バーディ・ボギーなしの「34」で折り返すと、10番、11番の連続バーディで優勝戦線に浮上。「バーディがポンポンときたので、いいところにいるなっていうのは分かっていた。緊張感を持ってずっとパーセーブできていたのはすごく良かったと思います」。ジリジリと押し寄せる優勝争いの緊張感。それを肌で感じながらボギーフリーで突き進んだ。
16番、17番はともに2~3メートルのバーディチャンス逃し。迎えた最終18番パー4は2打目でグリーンをとらえることはできなかった。「(3打目の)アプローチは芝が密集していて、振り抜かないと(寄らない)難しいライに止まった。(2打目が)もうあと1、2ヤード飛んでいれば。もうちょっと勇気を持って振れていれば」と2打目を悔やんだ最終ホールでこの日初めてのボギーを喫し、荒川の初優勝の夢は潰えた。
プロ同期の神谷は逃げ切りでツアー初優勝を挙げた。「すごいと思うし、自分もやってやろうといい刺激になった」。2才年下のライバルに惜敗したことが、今後への発奮材料になる。
荒川にとって2位タイは自己最高の順位。トップ10入りも初めてだ。「悔しいは悔しいですが、やることはやったので。プレーに対して悔しさはない」。そう語る荒川の目は赤く充血していた。飛ばし屋と話題になった神谷だが、荒川も飛距離では負けていない。この刺激と悔しさが荒川をさらに強くするだろう。(文・内藤哲)