ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。山本薫里さんとの対談3回目は、全米シニア女子オープン終了後にあった最高の感動シーンが初めて明かされます。予選からの珍道中とのコントラストが面白い濃厚トークは、親友・大竹エイカさんのアシストでさらに盛り上がります。
■慣れない左運転、宿泊先のトラブルも
原田:予選から本戦まで米国にいた45日の間にはいろいろなことがあったんじゃないですか?
山本:これまで20年もアメリカに行っていたけど、英語も運転もエイカさんにしてもらっていたんです。でも、今回は2人とも予選を通ったから、スタート時間が午前と午後で別れたら全然スケジュールが違っちゃう。車はそれぞれ車1台ずつやなって。自分で運転することになったんです。
原田:でも日本では遠くまで自分で運転するでしょう?
山本:でも右側通行やし、左ハンドルやし…。本戦までの間、ロスでエイカ教官についてめっちゃ運転の練習をしました。
大竹:安全確認の順番が逆! ミラー見るのも逆! って笑。
山本:右、左って見ちゃうんですよ~。
原田:あはははは。右側通行だと左、右の順番なのね。ホテルは2人一緒のところ?
山本:家を借りたんですけど、行ってみたらウェブサイトに載っているのと全然違っていて…。車も遠くの路上に停めなきゃいけなかったり…。
大竹:治安もよさそうじゃないし、他を探してキャンセルすることにしたんです。
山本:そのときも(キャディの)ダニエルが「2人じゃ危ない」って、家の証拠写真撮りに一緒に行ってくれたんです。
原田:いい人だ~。スポーツニュースで映像見たけど、いかつい人だったよね?
山本:あれで年下ね(笑)。22年間軍人やっていて、リタイヤしたんやって。
大竹:ゴルフ場でときどき、キャディしてる。「(山本を)絶対勝たせる」って言っていたよね。いまも連絡とっています。
原田:今度(2025年)もやるっていうんじゃないの?
山本:楽しみだって言っています。サンディエゴ(2025年大会はサンディエゴCCで開催)行ったことがないからって言っていました。
原田:結局、家はどうしたの?
大竹:キャンセルするのに、アメリカ人に問い合わせても担当者がコロコロ変わってたらい回しだし、日本人スタッフに問い合わせると時差でなかなか話が進まなくて本当に大変でした。でも、試合の初日までにはなんとか(手続きを)終わらせることができました。
■予想外のスタンディングオベーションに感動
原田:試合だけじゃなくて本当にいろいろな経験をしたんですね~。
山本:そういえば、テキサスの予選のとき、服部(道子)さんの大学時代の友達とも回っているんですよ。
原田:テキサス大学時代の?
大竹:そうです。そのひと。服部さんがすごく頭がよくてゴルフもうまいから、大学時代に優しくしてあげられなかった、ってずっと後悔していたんですって。そう伝えて、って言われました。
原田:ずっと気になっていたんだね~。みっちゃんに言ってあげないとね。
山本:大竹:はい。
原田:今までお聞きした以外にもびっくりしたことはいっぱいあるんじゃないですか?
大竹:私、絶対お話しなきゃと思っていたことがあるんですよ!
原田:なになに?
大竹:4日間戦い終えて、インタビュー終わった後、薫里さんがキャディのダニエルをさがしにレストランに上がったんです。そうしたら、彼女を見つけた日本人の先輩方から拍手が始まり。そこにいた全員から拍手が沸き起こって…。
山本:恥ずかしすぎてテーブルの間にしゃがみこんだら、誰かがシャンパンを持ってきてくれて真ん中に立たされたんです。
大竹:全員が拍手喝采になってスタンディングオベーションがすごかった。
山本:もう、うれし恥ずかし、ペコペコした後に助けを求めるようにエイカさんのところに戻ったら、(斉藤)裕子さんもいらして「日本人もここまで来たかぁ~」って涙を流しておっしゃっていました。
原田:うわぁ! すごい!
大竹:私も感激して号泣していました。
山本:(少しテレくさそうにうなずきながら)あの感動は一生忘れることはないです。
原田:頑張った仲間にはみんなが惜しみなく称賛をくれる。最高だね~。