<日本女子オープン 3日目◇28日◇大利根カントリークラブ 西コース(茨城県) ◇6845ヤード・パー72>
14番までに6つ伸ばす快進撃を見せる同組の岩井明愛に食らいつくように、原英莉花は連覇に望みをつなぐ戦いを続けた。序盤は「初日よりも速く、2日目よりも遅い」というグリーンで打ち切れない場面もあったが、徐々にアジャストしていき、バーディを刻み込んでいった。
5番で1つ伸ばすも7番で落とす停滞ムードを変えたのは9番。2.5メートルのバーディパットを決めたことが「すごく大きかった」と振り返る。10番でも4メートルを入れて連続バーディ。追撃態勢を整えた。「好き」という2人一組の2サムになる決勝ラウンドでは、「明愛ちゃんが終始いいプレーをしていた。勝てるように集中して」と、リズムよくプレーを続けることができた。
終盤の“難所”では苦しい時間も。3日目は214ヤードに設定された16番パー3では、グリーンを外し逆目からのアプローチを強いられた。「もう少し右を狙いたかったけど、そこだと上り傾斜ではなくなってしまう。奥までいくのが嫌で、保険をかけてすこし左の上り傾斜に当てよう」。シビアな選択のなか、2.5メートルまで寄せるのが精いっぱい。だがそれをねじ込むと、思わず力強いガッツポーズも飛び出した。
続く17番パー4でも、ティショットからラフ・トゥ・ラフというピンチに。ここも2日目に難易度1位を記録したタフなホールだ。「グリーンも右からだと細長いし、つっこみすぎるのも怖い。思ったより飛ばなくて残念だった」と3打目も苦しい状況に。それでもなんとか4打目を1.5メートルにつけ、最低限のボギーにとどめた。「ダボは打ちたくない」。その思いが上回ったようだ。
18番も2メートルのパーパットを沈め「69」。トータル5アンダー・5位タイで最終日に向かう。首位とは3打差。「きょうの明愛ちゃんのようなプレーができれば。序盤からバーディが取れれば優勝争いに食い込める」。
例年、表彰式が行われるグリーン上では、前年覇者が新女王に紺色のブレザーを着せるのが恒例となっている。「ギリギリでジャケットを贈呈するのは悲しいので精いっぱい頑張りたいです(笑)」。“優勝争い”ではなく“優勝”を。大事なタイトル防衛へ、最終決戦に挑んでいく。(文・間宮輝憲)