<アクサレディス 初日◇28日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6538ヤード・パー72>
6バーディ・2ボギーの「68」で回ったプロ3年目の小林光希が、首位で飛び出した。10m/s近い強風が吹いていた早朝の午前8時10分にアウトからスタート。アゲンストの風のなか、パー5の1番で3打目をピンそば80センチにつけたバーディで「きょうはイケるかも」と勢いづいた。
昨季はメルセデス・ランキング34位に入り、初シードを手にした。さらなる飛躍を期して臨んだ新しいシーズンだったが、「何かふわふわしているというか、試合ってどんなのだったかなという感じでバタバタしていた」と開幕から2試合連続で予選落ち。気分を変える意味も込めて、今週はスペアのアイアンをキャディバッグに入れている。
「去年の10月くらいから使っていたのと同じモデルで、シャフトも同じ。でも、距離感が合わなくなっていた前のものと違って、きょうはひさしぶりにショットが良かった。アプローチもすごく良くなりました」
残り120ヤードの3打目を9番アイアンでピン左80センチにピタリとつけたパー5の8番からは3連続バーディ。9番はピン右3メートル、10番は80センチとショットに本来の精度が戻ってきた。
昨季の躍進は大きな懸案事項を解消してくれた。今季から「カステルバジャック」とウェア契約を締結。フリーだった昨年までは自前で調達し、「好きなものを着られるのはよかったけど、サイズ選びとか大変だった。お金もかかるし」と時間的にも、経済的にも負担を強いられていた。季節の変わり目のこの時期は「暑かったり、寒かったりするので10~15セットを毎試合用意してもらっています。きょうは何にしようかと考えるのも楽しいです」。もちろん、採寸し、自分の体にフィットしたもの。「サイズがぴったりなのがうれしいです」とテンションは高い。
開幕2試合は結果を残せなかったが、長いシーズンは始まったばかり。これまでの最高成績は昨年4月の「フジサンケイレディス」の2位。同5月の「リゾートトラストレディス」以来2度目の首位スタートを決めた22歳は、「いい週末になりそうです。優勝を目指します」と迷うことなく話した。昨年はツアー5試合目で初のトップ10となる6位に入った大会。「きょうはロングパットの距離感が合わなかった。そこがもうちょっと良くなったら…」。ぴかぴかの新しいウェアは、表彰式の18番グリーンで間違いなく¨ばえる¨はずだ。(文・臼杵孝志)