<ニチレイレディス 2日目◇17日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>
直近の6試合で4度のトップ10入りを果たしている佐久間朱莉が「67」とスコアを伸ばし、初日の24位タイから通算7アンダーの4位タイに浮上した。もともとショット力には定評がある選手だったが、4月末にライ角を調整してから、さらに安定感を増したアイアンショットを披露。初優勝も徐々に近づいてきている。
スタートの1番パー5、残り61ヤードから1メートルにつけてバーディ発進の佐久間は、最終18番パー5も残り68ヤードをやはり1メートルにつけてバーディフィニッシュ。「スタートのバーディで流れに乗れたことと、2番はボギーにしてしまったんですけど、3番でバウンスバックできたのが大きかったなと思います」。3つのボギーはあったものの、それを大きく上回る8バーディを量産して、今週も上位争いに加わってきた。
好調のきっかけは4月末にライ角を調整したこと。「ミスショットは自分のミスだと思って、クラブに鈍感だったんですけど、キャディさんにクラブにも目を向けてみたらとアドバイスをもらって、それを試してみました」。ウエッジも含めて、アイアンをフラットに調整。それまでヒールから地面に接していたものが、ソール全体が当たるようになり、想定外のミスが出なくなったという。
「最初に2度フラットにしてもらって、少し戻したので1度と2度の間ぐらいだと思います」。佐久間が契約するピンは市販でも豊富なライ角のクラブを用意していることで知られるが「新品よりちょっと使い込んだクラブの方が好きなので」と、あえて使用中のクラブを曲げて調整した。調整後のクラブを師匠の尾崎将司に見せると「『えっ? これよりアップライトなクラブを使ってたのか、そりゃ打てねえだろう』と言われました。ジャンボさんもそう思うんだって納得しました」。今回の調整については、お墨付きをもらっている。
周囲からも初優勝に近い選手と認識されるようになったが、本人は「まだグリーン周りに課題がたくさんあるので、そこを磨いてからかなと思います」と冷静に自己分析。「西郷(真央)さんも、山下(美夢有)さんもなかなか勝てない時期があったと、いろんな方に言っていただくので、自分も今はその時期なんだと信じて、もっと強い選手になれるように頑張りたいです」と話す。
西郷は初優勝の直後から、山下は2勝目を挙げてから大ブレーク。1歳年下の佐久間も初優勝というハードルをクリアすれば、一気にトップ選手となるポテンシャルを秘めているはずだ。(文・田中宏治)