<スタンレーレディスゴルフトーナメント 最終日◇8日◇東名カントリークラブ(6,589ヤード・パー72)>
こんな展開を誰が予想できただろうか。この日、首位から2打差の3位から出た吉田弓美子が、キャディのミスによる1罰打のトラブルを乗り越え、4月の「フジサンケイレディスクラシック」以来となる今季2勝目、国内ツアー通算7勝目を鮮やかな逆転勝利で飾った。
イ・ボミ、痛恨の1罰打… 最終ホールに何が?
藤本麻子、イ・ミニョン(韓国)の3人が8アンダーで並んだ状態で迎えた18番。入れば優勝が決まる4mのバーディパットを前に、「真横に曲がるフックラインで、簡単ではなかった。手が震えた」という吉田。その一方で、「入らなくてもプレーオフ。でも、もし入ったらキャディがどんなリアクションをするかなと思っていました」と、報道陣の笑いを誘った。
というのも、12番でのバーディでトータル8アンダーとし、その時点で首位に並んでいた藤本とミニョンに1打差と迫って迎えた13番。昨シーズン途中から吉田のバッグを担ぐ川口大二さんが、大きなミスを犯していたからだ。
二人のグリーン上のルーティンとして、川口さんにマークの後ろにボールを置いていてもらい、自身はカップの反対側からラインを読むことが多いのだが、「いつも通りボールを置いて、思わず(マークを)取ってしまった。なぜだか自分でも分かりません」(川口さん)。吉田も、「最初何が起きたか理解できなかった」ものの、これが球の位置をマークしている時にボールマーカーを動かしたとして、「ゴルフ規則20-1.球の拾い上げとマーク(※1)」に抵触。5mのバーディチャンスが一転、パーセーブのピンチになってしまったのだ。
「よし行こう!と思った時のトラブルだったので動揺した」と、このパーパットを外しトータル7アンダーに後退。優勝争いからも脱落かと思いきや、トータル9アンダーだったミニョンも13番でボギー。さらに、15、16番で連続バーディを奪い、トータル11アンダーまで伸ばしていた藤本は、17番でダブルボギー、18番でボギーを叩き、上がり2ホールで3つスコアを落としてホールアウト。3人が8アンダーに並んだ状態で、吉田とミニョンが18番グリーン上で、共にバーディチャンスを迎えたのだ。
先に打ったミニョンが外し、優勝がかかったバーディパットに臨んだ吉田。「川口さんのためにという気持ちはなかった(笑)」というパットは、きれいなフックラインを描いてカップへ。吉田渾身のガッツポーズとギャラリーの大歓声、そして涙する川口キャディの姿で大会は幕を閉じた。
とんだトラブルの末に劇的な優勝。前半はボギーが先行する状況が続き、「正直こんなに上手くいくとは思わなかった」とは本音だろう。直近3試合で予選落ちするなど苦しんだ。パットに悩みパターを替え、グリップも替え、さらには握り方も変えた。ドライバーは発表されたばかりで話題を呼んでいる「ゼクシオ テン」にチェンジ。フェアウェイウッドのセッティングを予選と決勝で変えるなど、試行錯誤の末に辿り着いた今季2勝目だった。
優勝会見では、「勝ったからといって(川口キャディのミスは)チャラにはならないけど(笑)」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた吉田。「今の女子ツアーの中で優勝することは大変なので、30代になっての1勝目は一生忘れられない優勝になりました」と、胸を張った。
※1 ゴルフ規則20-1.球の拾い上げとマーク(適用部分のみの抜粋・要約)
規則により球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結び付けられるときは、罰則はない。それ以外のときは1打の罰を受ける。
今回は、本来の位置ではないところに球を置いた状態でボールマーカーを動かしたので1打の罰を受けた。
こんな展開を誰が予想できただろうか。この日、首位から2打差の3位から出た吉田弓美子が、キャディのミスによる1罰打のトラブルを乗り越え、4月の「フジサンケイレディスクラシック」以来となる今季2勝目、国内ツアー通算7勝目を鮮やかな逆転勝利で飾った。
イ・ボミ、痛恨の1罰打… 最終ホールに何が?
藤本麻子、イ・ミニョン(韓国)の3人が8アンダーで並んだ状態で迎えた18番。入れば優勝が決まる4mのバーディパットを前に、「真横に曲がるフックラインで、簡単ではなかった。手が震えた」という吉田。その一方で、「入らなくてもプレーオフ。でも、もし入ったらキャディがどんなリアクションをするかなと思っていました」と、報道陣の笑いを誘った。
というのも、12番でのバーディでトータル8アンダーとし、その時点で首位に並んでいた藤本とミニョンに1打差と迫って迎えた13番。昨シーズン途中から吉田のバッグを担ぐ川口大二さんが、大きなミスを犯していたからだ。
二人のグリーン上のルーティンとして、川口さんにマークの後ろにボールを置いていてもらい、自身はカップの反対側からラインを読むことが多いのだが、「いつも通りボールを置いて、思わず(マークを)取ってしまった。なぜだか自分でも分かりません」(川口さん)。吉田も、「最初何が起きたか理解できなかった」ものの、これが球の位置をマークしている時にボールマーカーを動かしたとして、「ゴルフ規則20-1.球の拾い上げとマーク(※1)」に抵触。5mのバーディチャンスが一転、パーセーブのピンチになってしまったのだ。
「よし行こう!と思った時のトラブルだったので動揺した」と、このパーパットを外しトータル7アンダーに後退。優勝争いからも脱落かと思いきや、トータル9アンダーだったミニョンも13番でボギー。さらに、15、16番で連続バーディを奪い、トータル11アンダーまで伸ばしていた藤本は、17番でダブルボギー、18番でボギーを叩き、上がり2ホールで3つスコアを落としてホールアウト。3人が8アンダーに並んだ状態で、吉田とミニョンが18番グリーン上で、共にバーディチャンスを迎えたのだ。
先に打ったミニョンが外し、優勝がかかったバーディパットに臨んだ吉田。「川口さんのためにという気持ちはなかった(笑)」というパットは、きれいなフックラインを描いてカップへ。吉田渾身のガッツポーズとギャラリーの大歓声、そして涙する川口キャディの姿で大会は幕を閉じた。
とんだトラブルの末に劇的な優勝。前半はボギーが先行する状況が続き、「正直こんなに上手くいくとは思わなかった」とは本音だろう。直近3試合で予選落ちするなど苦しんだ。パットに悩みパターを替え、グリップも替え、さらには握り方も変えた。ドライバーは発表されたばかりで話題を呼んでいる「ゼクシオ テン」にチェンジ。フェアウェイウッドのセッティングを予選と決勝で変えるなど、試行錯誤の末に辿り着いた今季2勝目だった。
優勝会見では、「勝ったからといって(川口キャディのミスは)チャラにはならないけど(笑)」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた吉田。「今の女子ツアーの中で優勝することは大変なので、30代になっての1勝目は一生忘れられない優勝になりました」と、胸を張った。
※1 ゴルフ規則20-1.球の拾い上げとマーク(適用部分のみの抜粋・要約)
規則により球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結び付けられるときは、罰則はない。それ以外のときは1打の罰を受ける。
今回は、本来の位置ではないところに球を置いた状態でボールマーカーを動かしたので1打の罰を受けた。