<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日◇22日◇マスターズゴルフ倶楽部(6,507 ヤード・パー 72)>
続出した規則違反によるペナルティ、日本ツアーでは初となったアン・シネの棄権、そして台風接近による最終日の中止と、いろいろなことがあった「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」。3日間54ホールの短縮競技となった大会を制したのは、前日“67”のベストスコアで単独首位に立った上田桃子だった。
実質最終日!?強雨の第3ラウンド決戦はLIVEフォトで
台風21号の接近による天候不良のため、午前6時10分に最終ラウンドの中止が決定。昨日に「この日を最終日だと思ってプレーした」という思惑通り、第3ラウンドでトータル11アンダーまでスコアを伸ばし首位に立っていた上田の今季2勝目、国内ツアー通算12勝目も確定した。
表彰式での優勝スピーチで、「高校卒業後にお世話になり、とても好きな神戸で勝ててとても嬉しい」と語った上田。前日のホールアウト直後に、畑岡奈紗のキャディを務める親交の深い小俣裕次朗さんから「優勝おめでとう」と冷やかされたのを皮切りに、多くの人から気の早い祝福の言葉をかけられた時には、「いやいやちょっと待ってよ」と困惑。この日も朝からスタッフがそわそわしている様子を見て、「みんなのそんな雰囲気が嫌だった」という。しかし、最終ラウンドが中止となり今季2勝目が決まると、「どんな形でも優勝したかったのでやっぱり嬉しい」と笑顔を見せた。
今季は5月の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」で優勝しているものの、なかなか2勝目に手が届かなかった。夏に背中を痛めてからは、「練習が思うようにできなくなって、ドライバーが右に左に行きだした」という。その時に立ち返ったのが、シーズンオフから固めてきた“基本”。昨年12月に亡くなった元巨人打撃コーチの故・荒川博氏から教えられた、「“上から、内から”というダウンブローでインサイドから振り抜く」という基本を、「日本女子オープン」前のオープンウィークに辻村明志コーチと再確認。そこから少しずつ調子が戻ってきた。
以前から「自分の球筋とは相性がいい」と意気込んでいた今大会。3日間のプレーを振り返り、「正直ペアリングが良かった」。2日目まで一緒だった昨年の覇者である全美貞(韓国)の「抜くところと(力を)出すところが上手い」プレーと、3日間一緒だった畑岡の「勢いと若さと調子の良さからガンガン攻めてくる」プレーを体感。米国ツアーで戦っているときには毎週のように感じていた“やりがい”を思い出せたことが、いい集中力に繋がったという。
そして最終的に気付いたのが、「やっぱりゴルフはスコア。いいスイングとか、いいショット、いいパットということではなく、少なくあがった人が勝ち」だということ。悪天候の中、高い集中力を保ち“我慢のゴルフ”ができたことで、新しい引き出しができたと胸を張った。
54ホールの短縮競技となったため、優勝賞金は当初の75%の2,430万円。賞金ランキングは、大会前の10位から6位に浮上した。「(賞金女王は)考えてないかな」と苦笑いした上田だが、「あの大会で勝ちたい、単純に池に飛び込みたい」と、米国挑戦のきっかけになった海外メジャー「ANAインスピレーション」(当時はクラフト・ナビスコ選手権)と、「全英リコー女子オープン」への出場に意気込む。そのためにも、今季のANAインスピレーションへの出場資格だった賞金ランク2位(来季の資格は未定)までには、何とかたどり着きたい。
そういう意味で手っ取り早いのは、来週休んで次に出場する予定の日本で行われる唯一の米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」で勝利を挙げること。「海外の選手も来るので難しいとは思うけど、TOTOに勝てば必然的に(目標の2試合に)出られますから。そういう意味ではチャンスはありますよね」と不敵に微笑んだ。
「いい選手と回るとすごく集中力が上がる」というのは、今大会でも証明済み。「大事なのは、この1週間の休みで調子を落とさないこと」と前を見据えた元賞金女王の2週後が、とても楽しみだ。
続出した規則違反によるペナルティ、日本ツアーでは初となったアン・シネの棄権、そして台風接近による最終日の中止と、いろいろなことがあった「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」。3日間54ホールの短縮競技となった大会を制したのは、前日“67”のベストスコアで単独首位に立った上田桃子だった。
実質最終日!?強雨の第3ラウンド決戦はLIVEフォトで
台風21号の接近による天候不良のため、午前6時10分に最終ラウンドの中止が決定。昨日に「この日を最終日だと思ってプレーした」という思惑通り、第3ラウンドでトータル11アンダーまでスコアを伸ばし首位に立っていた上田の今季2勝目、国内ツアー通算12勝目も確定した。
表彰式での優勝スピーチで、「高校卒業後にお世話になり、とても好きな神戸で勝ててとても嬉しい」と語った上田。前日のホールアウト直後に、畑岡奈紗のキャディを務める親交の深い小俣裕次朗さんから「優勝おめでとう」と冷やかされたのを皮切りに、多くの人から気の早い祝福の言葉をかけられた時には、「いやいやちょっと待ってよ」と困惑。この日も朝からスタッフがそわそわしている様子を見て、「みんなのそんな雰囲気が嫌だった」という。しかし、最終ラウンドが中止となり今季2勝目が決まると、「どんな形でも優勝したかったのでやっぱり嬉しい」と笑顔を見せた。
今季は5月の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」で優勝しているものの、なかなか2勝目に手が届かなかった。夏に背中を痛めてからは、「練習が思うようにできなくなって、ドライバーが右に左に行きだした」という。その時に立ち返ったのが、シーズンオフから固めてきた“基本”。昨年12月に亡くなった元巨人打撃コーチの故・荒川博氏から教えられた、「“上から、内から”というダウンブローでインサイドから振り抜く」という基本を、「日本女子オープン」前のオープンウィークに辻村明志コーチと再確認。そこから少しずつ調子が戻ってきた。
以前から「自分の球筋とは相性がいい」と意気込んでいた今大会。3日間のプレーを振り返り、「正直ペアリングが良かった」。2日目まで一緒だった昨年の覇者である全美貞(韓国)の「抜くところと(力を)出すところが上手い」プレーと、3日間一緒だった畑岡の「勢いと若さと調子の良さからガンガン攻めてくる」プレーを体感。米国ツアーで戦っているときには毎週のように感じていた“やりがい”を思い出せたことが、いい集中力に繋がったという。
そして最終的に気付いたのが、「やっぱりゴルフはスコア。いいスイングとか、いいショット、いいパットということではなく、少なくあがった人が勝ち」だということ。悪天候の中、高い集中力を保ち“我慢のゴルフ”ができたことで、新しい引き出しができたと胸を張った。
54ホールの短縮競技となったため、優勝賞金は当初の75%の2,430万円。賞金ランキングは、大会前の10位から6位に浮上した。「(賞金女王は)考えてないかな」と苦笑いした上田だが、「あの大会で勝ちたい、単純に池に飛び込みたい」と、米国挑戦のきっかけになった海外メジャー「ANAインスピレーション」(当時はクラフト・ナビスコ選手権)と、「全英リコー女子オープン」への出場に意気込む。そのためにも、今季のANAインスピレーションへの出場資格だった賞金ランク2位(来季の資格は未定)までには、何とかたどり着きたい。
そういう意味で手っ取り早いのは、来週休んで次に出場する予定の日本で行われる唯一の米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」で勝利を挙げること。「海外の選手も来るので難しいとは思うけど、TOTOに勝てば必然的に(目標の2試合に)出られますから。そういう意味ではチャンスはありますよね」と不敵に微笑んだ。
「いい選手と回るとすごく集中力が上がる」というのは、今大会でも証明済み。「大事なのは、この1週間の休みで調子を落とさないこと」と前を見据えた元賞金女王の2週後が、とても楽しみだ。