<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 事前情報◇5日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>
「レギュラーツアーに出始めてから10年近く経つけど、お世話になっている場所でメジャー大会をやることはそうそうない。経験できないことだし、うれしいですね」。“第二の故郷”で行われる大舞台の開幕を、葭葉ルミはワクワクした気持ちで待ちわびていた。
東京都出身の葭葉だが、2016年からオフの合宿地として毎年使用し、シーズン中にも訪れるのがこのパサージュ琴海。前回、同コースで選手権が行われた2015年のプロアマで、コース関係者とプレーしたことがきっかけになりつながった縁だ。今では、地元のKTNテレビ長崎で『葭葉ルミと森末慎二の らく・ごる』という冠番組を持つほど、この地に根づいてもいる。今年も「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」後のオープンウィークに訪れるなど、特別な場所になった。
「日本で一番回ってます」という場所だけに、その特徴は隅々まで頭に入っている。「(優勝スコアが7アンダーだった)前回はラフが長くてフェアウェイも絞っていた。今回はフェアウェイも広くとれるし、スコアも伸びそうですよね。(カットラインは)1オーバーくらい。選手のレベルもあがっているし、バーディ合戦になると思う」。毎年、本格的にプレーするのが冬場なだけに芝質などに違いを感じるが、「毎日3アンダーで回れば(優勝争い)。今はみんな伸ばすから二桁は絶対に必要」など、その言葉のひとつひとつが説得力を持つ。
先週の試合はスキップし、今大会に照準を合わせてきた葭葉。コース入りは先週の木曜日で、そこからラウンドを重ねてきた。「ゴルフの状態はいいです」ということに加え、「コースのホテルのご飯がとにかく美味しくて、食事も毎回楽しみなんです」と、心身ともに充実したなか開幕を迎えることができる。
警戒するのは、ホール左に大村湾を望む12番。海越えのパー3は、かつて左側にあった木が切られ、その大村湾からの風が直接吹き抜けるホールになった。あとは「獲りづらくて、難しいイメージがある」という4つあるパー5と、17番パー3を挙げる。ここを攻略することが、優勝争いへの必須条件になると考える。
「コースを知ってるからか、ノビノビできる感じがありますね。緊張よりも楽しみが大きい。今までの選手権では感じたことがない…、集中できてないのかな?(笑)」。こんな風に笑いながら“ちょっぴり”抱えている不安も明かすが、それだけ安心感を与えてくれるホームコースともいえる。「そうなればいいですね」と、狙うのはもちろん“恩返しV”。地の利というアドバンテージを発揮し、メジャータイトルへと近づいていきたい。(文・間宮輝憲)