<大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日◇21日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6505ヤード・パー72>
原英莉花が師匠の尾崎将司から出されていた「2日連続で67以上」の宿題をようやくやり遂げた。第3ラウンドは最終9番パー5でダブルボギーを叩きながらも「67」で回り、27位から出た最終ラウンドは6バーディ・ボギーなしの「66」をマークした。
「あっ! そうか、そうですよね。でも、この順位じゃジャンボさんは見てくれてもないかも。なんとも思ってないと思いますよ」。優勝した川崎春花とは12打差の16位。少し自虐的に笑ったあとに、目線を上げて胸を張った。
「でも、バーディ合戦でしっかりバーディは取れた。課題だった一つもクリアといっていいのかわからないけど、なんとかできた。そこは、これからの自信になると思います」。高校生のときに正式に弟子入りしたジャンボには「2日連続で67以上を出したら、不調から脱出したと認めてやる」と言われ続けてきた。
パー72での自己ベストは「65」。だが、2018年のプロデビューから最終日を除いて「67」以上はこれまで25度あったが、翌日のチャレンジにはすべて失敗した。2週前の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」も第3ラウンドを「67」で回りながら、最終ラウンドは「70」と伸ばし切れなかった。
今大会は旧知のキャディ、ジェイソン・イッズ氏と久しぶりにタッグを組んだ。第3ラウンドの9番は2打目をグリーン左のバンカーに入れ、そこからまさかの“ホームラン”でOB。この日も残り230ヤードの2打目を同じバンカーに入れた。「きのうはすごくライが悪かった。きょうは“お願いします”という感じでバンカーまで歩いていました」。ピンまで15ヤードのバンカーショットをピンそば2メートルにつけてバーディ。「キャディさんとバーディで賭けていたんです」と“勝利”のカフェオレをゲットし、リベンジも完了した。
来週は今季2度目のオープンウィーク。次戦の「北海道meijiカップ」は欠場するため、2週間のオフとなる。次戦は8月9日からの「NEC軽井沢72」。26度目の挑戦で一つ殻を破った原は「しっかり自分を分析する2週間にするつもりです」と強いトーンで話した。
ツアー5勝のうち4勝は10月以降に挙げた。夏休みが終われば、“秋女”の季節も間近。お楽しみはこれからだ。(文・臼杵孝志)