いよいよ、きょう7日(木)から国内女子ツアーのメジャー今季第2戦「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」が始まった。毎年、会場を変える大会は、2015年以来8年ぶりに長崎県のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブが舞台になる。大村湾を望むシーサイドコースとあって、やはり注意すべきは“あのポイント”。ビッグタイトルがかかる大会の展開を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に解説してもらった。
重たい風は吹くけど伸ばしあいの展開に? 2週連続V目指す“地元娘”のストロングポイントがハマると…【大西翔太のSHOWTIME】
女子プロ日本一決定戦を制するのは? 大西翔太氏が優勝者を予想する。
配信日時:2023年9月6日 23時00分
いよいよ、きょう7日(木)から国内女子ツアーのメジャー今季第2戦「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」が始まった。毎年、会場を変える大会は、2015年以来8年ぶりに長崎県のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブが舞台になる。大村湾を望むシーサイドコースとあって、やはり注意すべきは“あのポイント”。ビッグタイトルがかかる大会の展開を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に解説してもらった。
■風が選手に及ぼす影響は?
大西氏の口から、開口一番出てきた言葉は「風」。美しい景観の要因になっている大村湾から吹き込む風は、そのままスコアを落とす原因にもなる。
「海が近いですし、毎ホール影響がすごい。特に横風が思ったよりも強くて、ボールが簡単に流されます。長崎の風はいつも重く感じますね。これを読み切ることが大事。ただフォローのはずなのに急にアゲンストが吹いてくるなど、予想ができない風も吹く。リズムとテンポを崩さないことを意識したいですね」。コースを歩いているだけでも、いきなり突風が襲ってくるなど、確かにそれを正確に判断するのは容易ではなさそうだ。
また、その風に加えて、OBエリアが浅いため、少しボールが逸れただけでもペナルティの可能性が増すコース形状も厄介だ。セカンド地点からでもOBになるホールもあるため、気を抜ける場面はない。先ほどの説明にあるように、横からの風に乗ってしまうと、ミスではないのにOBに…ということも十分に想定できる。さらに、手前に向かう傾斜があるグリーンも点在するため、「奥に外してはいけない。グリーンやピン位置を考えると、パーが獲りづらくなります」という部分にも警戒。そして、このどちらとも、当然ながら風が大きく影響する。
■猛暑の影響でグリーンは止まりやすく
前回この会場で選手権が開催された15年大会は、優勝したテレサ・ルー(台湾)のトータルスコアが7アンダー。カットラインは6オーバーという点を見ても、その難易度の高さはうかがえる。しかし、今年はその時以上にスコアが伸びる要素も多いという。「グリーンはキャリーで止まる。風さえ読めればチャンスにつけられますね」。
スピードを表すグリーンのスティンプメーターは10~10.5フィート(昨年は11.5フィート)で、硬さの指標となるコンパクションは21(同23.5)と発表。しかし大会を主催する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、開幕前日に行った会見で、「記録的猛暑で、きょう現在で(スティンプは)9.5、(コンパクションは)19.5。ここ数試合のなかでもかなり厳しい数値」と、苦しい胸の内を明かしたほど“想定外”のことも起きている。ちなみに優勝ラインについては「17アンダー前後」に設定。一日4アンダー以上必要という計算になる。
とはいえ、アンジュレーションに富んだグリーンはそれでも厄介なポイントも多い。「簡単に流されます」という風の計算をしっかりしつつ、そのなかでたくさんのチャンスを作ることが求められる。
■地の利か? はたまたショット力か?
それを踏まえ大西氏は、注目選手として3人の名前を挙げた。ひとり目は、先週の「ゴルフ5レディス」を制し、地元・長崎県で連勝を狙う櫻井心那だ。幼少期から足しげく通い、高校時代には週1回はパサージュ琴海をプレー。プロになった今も、帰省時にはここで調整を重ねている。「地元でより熱が入ると思います。ドライバー、アイアン、どのクラブも迷わず振り切れるのが櫻井選手の魅力。この風の重さは慣れていないと対応は難しいし、ここで練習している選手は有利ですね」というのが、その根拠となる。
同じ理由で、16年オフからここで合宿を行う葭葉ルミもピックアップする。「知り尽くしてる。ゴルフ場の方々が応援している雰囲気も感じられます。調子も悪くないし、(風対策の)抑える球も打てる」。本人も「楽しみ」と話す一戦。“第二の故郷”で戴冠したい、という思いは当然ながら強い。
そして最後が山下美夢有。3週前の「CAT Ladies」を体調不良で棄権しながら、復帰戦となった先週の「ゴルフ5レディス」は2位と、いきなり優勝争いに絡んだ。「さすがに調子を落とすかと思いましたが、打つ球が生き生きしています。先週のゴルフを見ていると、ピンにしか行かない。常に芯で打てているから、球も重く、風に影響もされづらい」。初めて回るコースといえど、女王はすぐに適応するのでは、と踏んでいる。
ただ、本当に伸ばしあいの展開になると、昨年の川崎春花の優勝のように新星が登場したり、ダークホースが一気に上位争いをけん引する…なんていう展開も十分に考えられる。風光明媚なコースで、ビッグタイトルを狙う選手たちの激しいつばぜり合いに期待したい。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
この記事のタグ
記事に関連するリーダーボード
関連記事
日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯
日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯のニュース
- 神谷そら、「操作性がいい」ヤマハの新作ドライバーでメジャー初制覇【勝者のギア】
- メジャー初V!神谷そらがドライバー飛距離アップレッスン【動画】
- 日本ツアー“最強カルテット”をくだす価値あるメジャー制覇 神谷そら「ゴルフって分からない…」
- 300ヤード砲にギャラリーからどよめきも 新メジャー女王・神谷そら“飛ばしの原点”「小学3年で200ヤードは…」
- 小祝さくらが終盤見せた“意地のパーセーブ” 勝者・神谷そらを称賛「飛距離がすごい」
JLPGAツアー 週間アクセスランキング
ツアー別に見る
全ツアーTOP | JLPGA (国内女子) |
JGTO (国内男子) | LPGA (米国女子) |
PGA (米国男子) | DP World (欧州男子) |
Asian | LIV GOLF |
ステップアップ | ネクストヒロイン |
PGAシニア | ABEMA |
アマチュア・他 | LADY GO CUP |